11日に開幕したカンヌ国際映画祭も中盤に差し掛かり、韓国映画では唯一コンペ部門に出品された洪尚秀(ホン・サンス)監督の『劇場前』(『映画物語』)に視線が集まっている。

 今年のパルムドール受賞を目指す21作品の中には、ガス・ヴァン・サントの『LAST DAYS』をはじめ、デヴィッド・クローネンバーグの『A HISTORY OF VIOLENCE』、ヴィム・ヴェンダースの『DON'T COME KNOCKING』など巨匠たちの新作が並んでいる。

 こうした世界の作品と競わなければならない『劇場前』の受賞の可能性は、それでも高い。韓国内で満場一致に近い好評を博している『劇場前』を手がけた洪監督はカンヌ映画祭と特に縁が深い。また洪監督に対する現地フランスの関心も非常に高い。カンヌ出品も今回で4回目となる。これまでに『江源道の力』『オー!スジョン』が「ある視点」部門に出品され、今年は昨年の『女は男の未来だ』に続き『劇場前』で2年連続してコンペ部門への出品を果たした。

 一先ず、同映画祭のティエリー・フレモー執行委院長が積極的に出品を要請をしてきたこと自体が受賞を期待させる。また「閉幕式までカンヌにいてほしい」と依頼したことも『劇場前』に対する主催者側の期待の高さをうかがわせる。

 審査委員長のエミール・クストリッツァが「美学的な側面が重要な評価基準になる」と記者会見で明らかにしたことも好材料だ。昨年、政治色が強いマイケル・ムーア監督の『華氏911』に注目した審査委員団とは異なり、今年は論争性よりは非ジャンル的な映画が注目される見込みで、カンヌの常連となっている洪尚秀監督の受賞を予想する声が多い。授賞式は22日に行われる。

 一方、フランス南部のリゾート地で行われているカンヌ国際映画祭には、今年は約4000人の記者が参加、熱い取材合戦が展開されている。映画祭期間中に行われるフィルムマーケット(Marche du Film)には約80か国の映画関係者8000人余りが参加、全世界の映画関係者のカンヌに対する関心の高さを立証した。

『スポーツ朝鮮/チョン・サンヒ記者 nowater@sportschosun.com 』

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