5日夜、ドラマ『新入社員』。主人公のガンホ(ムン・ジョンヒョク)が劇中で友人と新たにオープンするコスメショップの店名を考え、「ハッピー・クレジット」というアイディアを出すシーンが流されたが、この名前が制作スポンサーになっているソマン化粧品の「ビューティー・クレジット」を連想させた。

 ドラマ終了後に放送されたCMもヒロインのハン・ガインがモデルを務める「ビューティー・クレジット」のCMだった。ここまでやられると視聴者は不快を露にし始めた。ドラマホームページの掲示板には既に「あまりにも間接広告が多すぎる」といった非難の書き込みが殺到している。

 しかし、ソマン化粧品は強気だ。同社はソウル市内の江南(カンナム)駅近くにあるビューティークレジットのショップを「ハッピークレジット」というショップに改装した。同社は「5月26日の放送終了後に再びビューティークレジットのショップに改装する予定」としている。

 MBCの人気ドラマ『新入社員』が露骨な間接広告のために非難を浴びている。外注制作会社の関係者は「放送が終了してクレジットも出るため特別意識せずに放送したのは確かだが、これほどまで反響があるとは思わなかった。今後はハッピークレジットという名前は放送では使わない」と説明した。江南駅の「ハッピークレジット」ショップについても「完全にハッピークレジットの看板を下すことにした。もし撮影をすることになってもスポンサーと関連付けないようにする」とした。

 最近のこうした露骨な間接広告は、テレビ局の広告収入が減少しながら企業の協賛を得て間接的に制作費を調達する傾向が増えたためだ。前出の外注制作会社の関係者は「実際には企業から制作支援を受けなくてはドラマを制作することが出来ないシステム自体が問題。俳優やスタッフの人件費は増える一方だが、テレビ局が外注制作会社に支給する制作費は数年前と変わらず、スポンサーの協力なしではドラマを作ることが出来ないのが現状」と語った。

 専門家らは視聴者が無意識のうちに広告に接する点を懸念した。淑明(スンミョン)女子大学のカン・ヒョンチョル教授は「視聴者が広告ということを知らずに無意識のうちに広告に接することは、意識を操作することだけに非倫理的。国民の財産である電波を使う地上波テレビ局を通じて接するドラマで視聴者が操作されるようなことがあってはならない」と懸念する。

 放送委員会は視聴者がこのドラマを見て内容と広告を混同したか否かによって審議の可否を決定する予定だ。放送委員会地上波審議1部の関係者は「12日の芸能娯楽審議委で『新入社員』の問題を扱う予定。ドラマ放送直後にハン・ガインがモデル出演している『ビューティークレジット』のCMが編成されたことも案件として論議される予定」とした。

 昨年8月、放送委員会はスポンサー商品の名前に似た名前に変更して放送したMBCドラマ『皇太子の初恋』(日本タイトル『いつか楽園で!』)とSBS『パリの恋人』に対して懲戒を加えた。

dhshin@chosun.com

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