ユン・ドヒョンバンドは「現在進行形」の韓国ロックのアイコン(icon)だ。いつくかのインディーロックバンドまたは本人が拒否するかもしれないが、平均的な韓国人の情緒がそう言わせる。

 しかしこのバンドのフロントマンであるユン・ドヒョンが突然ソロアルバムを発表した。29日に発売される『Difference』。ユン・ドヒョンバンドの音楽を規定した、落ち着いた声には変わりないが、ユン・ドヒョンはここでは「ロッカー」ではない。R&B、ジャズ、パンク、フォーク…、自由に境界を越える。理由が気になる。「似たようなスタイルの音楽は飽きた。『おもちゃ』のようなアルバムを作った」と口を開いた。いくつかのキーワードで彼の話を整理してみた。

▲違い(difference)

 「アルバムの名前をこれに決めた時、ユン・ドヒョンバンドがユン・ドヒョンとは違うということ、アルバムの中の歌がすべて違うということを示すためです」

 「音楽的な逸脱を夢見てきた。元々多様なジャンルの音楽が好きだった」とし、「その中でバンド生活とロックが一番好きだが、今回は自分の声の可能性を実験してみたかった」としている。

 「音楽はただ楽しいからやるもの」

▲ロッカーと芸能人(rocker&entertainer)

 ユン・ドヒョンは自身の名前を付けた音楽番組を司会し、CMにもよく出演する。バラエティ番組でコメディアンと雑談を交わすこともある。何人かの「ロック原理主義者」たちからの痛烈な批判が原点だ。そうした中で出たソロアルバムには説得力のある基準と論理を持っている。

 「韓国でロックバンドが音楽活動をするのはしんどいです。ライブ以外に何もすることがないんです。だからバンドを維持してライブ会場に人を呼び集めるため、よく自分自身を外部に露出しているんです。一度ライブに来れば、皆ハマりますよ。あと、『CMに出演したらロッカーじゃない』って言うマニアがいるけど、理解できません。米国に行ってみて下さい。ベテランバンドのエアロスミスまでCMに出ています」と話す。

▲欧州(Europe)

 過去2か月間、英国新人バンドと一緒にやった欧州ツアーはユン・ドヒョンバンドに大きな栄養分をもたらしたことは間違いない。ユン・ドヒョンは「少ない時はドイツで30人の客席の前でライブをしたが、本当に『エネルギー』をたくさんもらってきた」とし、「元々音楽は楽しむものだということに改めて気づいた」としている。

 「欧州の多くのインディバンドに会ってきました。普通ファーストを出して駄目なら、すぐに挫折するけど、彼らは何とも思っていない。楽しんでニューアルバムの作業に取り掛かるんです。音楽はただ楽しむものなんです」とユン・ドヒョンは話す。

vaidale@chosun.com

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