“伝説の少女漫画”と呼ばれている『ガラスの仮面』(テウォンシーアイ刊)が6年ぶりに42巻を出した。

 この漫画がジャーナリズムで“伝説”という大げさな修辞を得た理由は、類まれな長期連載と世代を超えた人気のため。美内すずえ(54)さんが1975年末、日本の白泉社の「花と夢」という雑誌で初めて連載をスタートしたこの作品は、30年以上が経った現在まで続き、連載最長記録を更新している。

 また、“日本漫画の最大の麻薬”という刺激的な例えがあるほど、世代を超えた読者の人気が賛辞の裏付けになっているのは言うまでもない。この作品を原作にしたドラマ、アニメ、映画、演劇などが日本では数限りなく登場しており、1999年には韓国の俳優たちも演劇『ガラスの仮面』を大学路(テハンノ)で公演した。当時、出演者全員が幼い頃、『ガラスの仮面』(70年代の海賊版の題名は『黒蝶』、マヤとアユミはそれぞれオ・ユギョン、シン・ユミという名前で登場した)を読んだとして話題になった。『ガラスの城』、『キャンディー・キャンディー』、『ベルサイユのばら』などが同じ時期に紹介されたが、韓国でも最も古く(30年)、最も多く(41冊)読まれた作品である。

 新興宗教と関連した作家の奇行もこの作品の“伝説”に一役買っている。80年代後半以降、美内すずえは「宇宙に神霊がおり、自分はそれと交信できる」と信じるようになり、自ら教主を名乗り出るなど、様々な噂の対象になりもした。また、『ガラスの仮面』の主人公の名前と同じマヤ文明を信じ、マヤ文明の暦に宇宙の神秘が隠れていると主張している。『ガラスの仮面』が時折しか発刊されず、読者を焦らせるのもこのためだ。

 『ガラスの仮面』の内容は「紅天女」という演劇の主役を勝ち取るために努力する2人の少女の人生を描いている。貧しけれど演劇の天才素質を持つ北島マヤと、金持ちで頭の良い姫川あゆみの対照的な人生と演技が迫力一杯に繰り広げられている大河ドラマだ。今回の42巻では、「紅天女」の準備のため、渓谷での厳しい修行を終えて東京に戻ってきたマヤが、微妙な感情を抱いている真澄の婚約を知り、当惑する内容が展開されている。もちろん42巻も完結編ではない。

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