学園暴力は今やエンターテイメントにおいて「商品」だ。今月13日に放送されたSBSドラマ『乾パン先生とこんぺいとう』は初回から主人公の女子高生ナ・ボリ(コン・ヒョジン)の「バック転5回半の後に傘で刺す」シーンが話題だ。

 10人の不良男子学生を傘一つで一瞬にして退治する。問題児をこらしめる猪突猛進タイプの女教師という設定のため制作陣が選択した近道が暴力だった。

 最近各種歌謡チャートを席巻している人気グループSG Wanna Beの『罪と罰』プロモーションビデオも「学園」と「暴力」が入り混じっている。ある女教師に片思いする2人の男子生徒は他校の生徒らが盗んだ腕時計を取り戻すため角材を持って教室に押し入る。

 若者のコード(価値観)に敏感な映画はこうした流れに早くから注目している。『火山高』『頭師父一体』『同い年の家庭教師』『マルチュク青春通り』に続き、『潜伏勤務』まで制服を着た主人公たちの暴力をモチーフにしている。

 人間の本性に内在する暴力欲を代理満足させる上で、学校ほど「安全」な空間もない。ここで繰り広げられる生徒間の争いは厳正な大人社会の法と秩序が入り込む余地はなかった。制服と制服がぶつかり、暴力団の抗争とは異なる「なつかしの商品」のように受け入れられている。

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