【インタビュー】映画『親切なグムジャさん』の朴賛郁監督・李英愛

―ヒロインの名前をグムジャにした理由は?

 「ヒロインを演じるのが李英愛(イ・ヨンエ)さんでなかったらミランとか他の名前にしたはずだ。李英愛さんが演じる役がグムジャという名前なら笑えると思った」(朴賛郁(パク・ チャヌク)監督、以下朴)

―李英愛をキャスティングした理由は?

 「『共同警備区域/JSA』の際には李英愛さんの能力を活かす時間が足りなかった。その後もずっと気になっていた時に私の友人でもある許秦豪(ホ・ジノ)監督の『春の日は過ぎ行く』を見て彼女に魅了された。最近の韓国映画に出演した女優で最も優れた演技をしていたので、もう一度機会が訪れることを願っていた。今回の映画は李英愛さんのために企画されて制作された。李英愛さんという人が持っている多くの複雑な内面の風景を最後まで描こうとした作品だ。静かで大人しくて台詞一言を話すにも内緒話のように話すこの映画には見る人が驚くような不気味なシーンもある反面、非常に笑えるシーンもある。演技に秀でているのはもちろん、そうした演技を何のためらいもなく演じることを強調したい」(朴)

―復讐劇にこだわる理由は何か?今回が最後になるのか?次回作も復讐劇を構想しているのでは?

 「復讐劇は一先ず今回の3部作で完成する。数年後にはどんなストーリーを作るかわからないが、この映画以降の2~3作品では少なくともやらないだろう。復讐は社会的に禁止されているだけに魅力を感じる。もちろん禁止されていることはいくらでもあるが、復讐はその中でも最も日常で大きな影響を及ぼすと思う」(朴)

―李英愛に何と言って出演を誘ったか?

 「『孝子洞理髪師』(日本タイトル『大統領の理髪師』)の試写会の帰りにヒロインのいる映画を撮りたいと声を掛けると、李英愛さんは新しく独特の映画に出演したい様子だった。低予算映画のようなものにも出演したいようだった。ちょうど『復讐は我がもの』(『復讐者に憐れみを』)のような映画が楽しかったと聞いて今回の映画へのオファーしてみた」(朴)

―映画について紹介して欲しい。グムジャというヒロインはどんあキャラクターなのか。

 「13年間男により服役し、出所してから壮絶な復讐を繰り広げる過程のストーリー。グムジャのキャラクターは一つに規定できないほど複雑で面白いキャラクターです」(李)

―肉体的にきつい点はなかったか。撮影中に女優として得たものは何か。

 「もちろん過去の監督の復讐シリーズに比べれば、女優のため弱い部分はあった。アクションシーンは初めてだったので辛いと思ったけど実際辛かった。過去の監督の作品が素晴らしく演技も素晴らしかったたので、プレッシャーが少なくなかった。女優としてこういった作品に出会えるのは簡単じゃなかったので、結構悩んだけど学ぶことも多いと考えた」(李)

―悔しいことが起きれば復讐するタイプか。

 「そういったことはあってはダメでしょう(笑)。だから感情移入が難しかった。私がもし復讐するならどうするかは映画を見れば分かると思う。映画のラストが結局は自分の考えでもあるし、とても多くの余韻を残しているので多くの方々が見てくださり意見を交わすことができる部分です。復讐をするとしたら、グムジャのようにはやらないでしょう(笑)」(李)

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