リュ・スンワン監督とチェ・ミンシク、リュ・スンボムとの一問一答。

-題名はどのようにして決めましたか

▲仮題『ソウルの拳』というのがあったが、あまり気に入りませんでした。他の方が付けてくれた題名だが、映画(の内容と)ピッタリだと考え決めました。

 『拳が泣く』という言葉は行動することができず愚痴ばかり言うダメな人たちが使う言葉です。二人の人物は家族に捨てられのけ者にされた人たちということをよく説明している。(リュ・スンワン監督)

-「脂っこさを抜いて演出をした」ということを言っていたそうですが

▲無駄にわがままを言わず映画が要求する方向に従おうとしたという意味です。撮影の時に今日のシーンの核心が何かだけを考え現場に行きました。

 以前の映画が事件中心だとしたら『拳が泣く』は人物が中心の映画です。監督の演出テクより人物の感情の様子が重要だと考えました。最初の段階から俳優たちと一緒にストーリーを構成して行き、その過程で現場でシナリオが変わることもあった。(リュ・スンワン監督)

-ボクシングを題材に選んだ理由は

▲ボクシングに対する妙な幻想を持ってます。ボクシングは最小限の道具とルールで行われるスポーツという点と、数年間練習をしてやっと1回リングに上がれるといったように積み重ねが重要だという点も魅力です。

-アクションシーンが以前と違い、ドキュメンタリー的な感じが強いが

▲元々意図していた部分です。チョ・ヨンギュ撮影監督は『ダイ・バット~死ぬか、もしくは悪(ワル)になるか』で一緒に作業した監督ですが感情を捉え方が特に長けた方。仕事を始める前に「とにかく激しく行こう」ということに同意し、ほとんどのシーンを手に(カメラを)持って撮影した。(リュ・スンワン監督)

-映画を通じて結局伝えたかったことは何か

▲希望です。ボクシングの試合をしたからといって二人の人生はそんなに変わらないはずだ。2人が試合をした次の日の朝に目を覚ましたら、「(これから)生きて行けるんじゃないか」という希望を持つと思う。子供が出来たせいか僕の世界観もかなり変わったみたいです。生きること自体が重要だと思う。希望をもって生きることが重要だと思う。

-兄弟で再び映画撮影をすることになりましたが

▲兄の映画だと思ったことはこれっぽっちもありません。(リュ・スンボム)

▲自分も同じです。撮影をしながら兄弟だとは考えなかったし、現場でも(この点に)特に気をつけた。俳優ではない弟リュ・スンボムだと思ってしまった瞬間に映画が変な方向に進むと思った。正直今は「兄弟」という言葉が負担になってきた。(リュ・スンワン監督)

-演技する時に何が一番大変だったか

▲ボクシングの試合のシーンは大変だった。実際に殴り合うように決めていたので怖かったし、正直痛いのは誰もが苦手じゃないですか。ボクシングの第1ラウンドってすぐ終わるように見えますが実際1ラウンドをリングの上で粘るのは大変なことです。(リュ・スンワン監督)

▲リュ・スンボムのシーンと僕のシーンが別々に進行していくので、どのように全体でアンサンブルを整えていくかを悩んだ。映画が負け犬的な人生を歩んでいる二人の男の話を扱っているし、結局もっとテシクらしい状況を演出していくことが解決法だと思った。(チェ・ミンシク)

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