新年からボクシングシーンを演じた崔岷植(チェ・ ミンシク)が点滴を受けながらも撮影に参加して話題だ。

 今月5日から映画『拳が泣く』(リュ・スンワン監督)のハイライトを飾る新人王戦のシーンを撮影中の崔岷植が9日、極度の疲労を訴え、近くの病院で点滴を受けた。

 マネージャーのペク・ジェヒョンさんは「崔岷植さんはほとんど辛さを見せない人だが、今日ばかりは疲労の様子がうかがえて近くで見ていられなかった」としながら、「一日の撮影が終わると足の力が抜けてまともに歩くこともできず、話しもまともにできないほどの苦痛を訴えている。そのため体力を回復するために点滴を受けた」と伝えた。

 崔岷植の劇中での役はアジア大会の元銀メダリスト、カン・テシク。事業が失敗して路上で「人間サンドバッグ」になって金を稼ぎ、立派な父親の姿を見せるとグローブを手に新人王戦に出場する。少年院でボクシングを習ったユ・サンファン(リュ・スンボム)を相手に人生最後の希望を賭け、死闘を繰り広げる。

 大邱(テグ)EXCOコンベンションセンターに設置されたセットで今月5日から15日まで行われる新人王戦のシーンは、実際に映画で使われるのは約15分間。「血と涙が混ざった死闘を描き出す」という演出意図によって崔岷植は計6ラウンドを代役なしで直接演じてみせた。

 このシーンのために崔岷植は昨年9月から一日も休まずに特訓を受けてきた。10キロ近く減量して体を鍛えたが、一日に12時間、一週間も殴られ続けては、さすがの崔岷植でも限界だった。

 ストーリーの設定上、リュ・スンボムから一方的に殴られるシーンを主に撮影しなければならないため、一度も拳を振り回すことなく、打たれ強さとプロ精神で毎日を耐えている。

 崔岷植は「厳しい時代に夢をつかもうとしている人々の姿を真剣に演じるのが俳優である私の役割だ。観客に本当の汗と涙を見せたい」という覚悟で点滴を打ってまでリングに上がり、スタッフたちを感動させた。

『スポーツ朝鮮/チョン・サンヒ記者 nowater@sportschosun.com 』

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