俳優の李誠宰(イ・ソンジェ)が映画『シン・ソッキ ブルース』への出演で演技の幅を広げた。

 李誠宰は21日午後、メディア向けの試写会で初公開された『シン・ソッキ ブルース』で外見の大胆な変身ぶりにもかかわらず、彼独自のキャラクターで見事に演じきって観る者を楽しませた。

 その大胆な変身を成功させたのが「出っ歯」だった。 李誠宰は醜いウサギのような出っ歯の扮装をしたことで顔全体をまったく違う印象に見せることに成功した。

 また、出っ歯の扮装が発音にまで影響して李誠宰が少しオーバーな動きをしただけでも必要以上に可笑しく見せることができた。さらには話す度にどもる姿で完全な醜男になった。

 李誠宰は「実は歯の扮装をすることは周囲から反対されていた。それでも実際に扮装をしてみると自ら歯の扮装もしたいと思うようになっていた」と笑った。

 最初から最後まで不自然な姿勢で登場したことも役になり切るための重要なポイントになった。常に姿勢の正しかった李誠宰が、 腰の抜けたような歩き方でスクリーンを行き来した。

 しかし、李誠宰は今回の扮装で“一線”を守った。ある一線を超えれば、ただのドタバタ劇になると考えた李誠宰は、自分が守るべき線を決して超えないように努めた。

 こうした本人の努力で李誠宰は主人公シン・ソッキの小心者で貧弱なキャラクターを自然に演じることができた。また、徹底してキャラクターになり切ったことで鍛えられた体を隠すことにも成功した。スクリーンの中の李誠宰は、まるで骨だけの人間のように見えるほどだ。

 さらに李誠宰は両サイドを刈上げたパーマ頭にしてスクリーンの中で完全にシン・ソッキというキャラクターになり切った。今までのダンディーなイメージは微塵も感じられない。

 こうした役へのなり切り度から見ても分かるように、李誠宰は無邪気で気弱なキャラクターになることに対してまったく拒否感がなかったという。

 いくら演じる者がキャラクターになり切るための変身だからと言っても、ダンディーなイメージの強い俳優がここまで変わってしまうことは、観る者に拒否感や失望感を与える可能性もある。それでも、『シン・ソッキ ブルース』の李誠宰の姿を観ればきっとは観客は理解して満足するだろう。

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