映画
李炳憲、『甘い人生』で“クールスマイル”に変身
李炳憲(イ・ビョンホン)主演の映画『甘い人生』(金知雲(キム・ジウン)監督、映画社「春」制作)はタイトルのように決して“甘い”内容ではない。今回、李炳憲が演じる役は何をやっても完璧な男、キム・ソヌ。しかし、その完璧だった彼の歯車がある瞬間から狂い始める。
「暴力団のナンバー2ですが、一人の女性をめぐって組全体を相手に対立するようになります。完璧だった一人の男が破滅に向かう姿を壮絶に描く映画です」
最近、京畿(キョンギ)道・両水里(ヤンスリ)の総合撮影所で公開されたロケシーンは、李炳憲がファン・ジョンミン(ペク社長役)と遭遇する姿。白けた李炳憲の態度に頭に来たキム・レハ(ムンソク役)が瓶を割って怒りを爆発させる。しかし、まったく動じない李炳憲。
『オールド・ボーイ』のユ・ソンヒアートディレクターがデザインしたソヌが経営するホテル内のディスコは、クールで洗練された李炳憲の劇中のキャラクターをそのまま表現したように、黒と赤が妙な調和を醸し出していた。
険しい表情で恐怖感を表現しなければならないキム・レハが瓶を割った瞬間に驚いてNGを出した以外は完璧だった。しかし、金監督は10回近くリテイクを繰り返した。
「ソヌの感情が本格的に変化する重要なシーン」と説明した金監督は「すでに一度撮影シーンを再度撮りなおしている」と話した。しかし、同じシーンを何十回も撮りなおしても李炳憲をはじめ出演俳優たちは不満を一言も発していなかった。
「シナリオを受け取る前に出演契約書にサインをした」と言う李炳憲は金監督に200%の信頼を寄せている。
8月10日のクランクイン以降、連日の強行軍で疲労がピークに達していたが、李炳憲は高度なアクションシーンを代役なしで直接演じる俳優魂を見せつけている。
序盤に腰を痛めた以外は一度もけがなどはしていない。他の俳優であれすでに弱音を吐いたり病院で点滴を受けたりしているところだが、李炳憲はまったくそういう姿を見せない。そのためか現場で李炳憲は「天下無敵のキム・ソヌ」と呼ばれている。
『スポーツ朝鮮/チョン・サンヒ記者 nowater@sportschosun.com 』