映画
日本語台詞97%の映画『力道山』 果たしてヒットなるか
終始日本語で話す薜景求(ソル・ギョング)の姿を見て、韓国内の映画ファンは一体どんな反応を見せるだろうか。
薜景求主演の超大作映画『力道山』(サイダX制作)が力道山の41周期となる12月15日の公開を控え、日本語による台詞が97%を占めるこの映画に対する映画ファンの反応に関心が集まっている。
韓国人であることを隠し、日本人として生きてきた力道山を描いた内容なだけに、映画自体も極一部を除いては基本的には日本語の台詞が使われている。
日本で日本人に囲まれながら暮らした力道山は、自分の祖国の友人と会っても韓国語を話すのは一言二言で、基本的には日本語を話す。この映画で日本語以外の言葉が登場するのは、米国のレスラーとの試合で英語がいくつか登場するだけだ。
このため観客は韓国人俳優である薜景求が日本語で演技する姿を観ることになる。もちろん韓国語の字幕付きで上映される。
外国映画の字幕に慣れている韓国の映画ファンだが、韓国映画で韓国俳優が日本語を話す場合には拒否感を持つ可能性もある。
実際に日本人になったような薜景求の卓越した演技力と波乱万丈な力道山の人生に興味が引かれるのは確かだが、制作会社としては神経を使わざるを得ない状況だ。
制作会社のサイダスは「実際に心配される部分だ。事前に映画が日本語で撮影されたという情報がいくらあっても、実際に観客が映画館で映画を観たら驚くかも知れない。日本語は制作当初から最も心配される部分だったが、ストーリー上、外すことはできなかった」と説明した。
映画の準備をしながら薜景求は日本語の台詞に専念し、語感や語調に関しても実際の日本人とは区別がつかないほど台詞の練習をした。
そのおかげで現地では薜景求の日本語について「心を動かすことのできる日本語」という絶賛を受けた。そして、日本語の台詞で3~4分のロングテイクで撮影できるほどの実力を持ち、薜景求はこうした完璧な準備のおかげで撮影中も言葉のことでプレッシャーを感じることはほとんどなかったという。
しかし、薜景求が日本語を完璧に話せば話すほど韓国の映画ファンは異質感を感じざるを得ない。
実際に車仁杓(チャ・ インピョ)、金允珍(キム・ユンジン)主演の映画『アイアンパーム』は登場人物が英語の台詞を話して字幕処理をしたが、非常にぎこちないもがあった。
もちろんこの場合は基本的に映画の全体的な完成度や面白みに欠けたという点も影響したが、英語の台詞が映画に入り込んでいくことを邪魔した。
『力道山』と比較される映画の一つが『風のファイター』。この映画もやはり日本で極真空手を創設した崔倍達(チェ・ペダル/本名:崔永宜(チェ・ヨンイ)/日本名:大山倍達/1922~1994)の一生を描く映画に相応しく、日本が背景になっている。しかし、日本人を除いた韓国俳優による日本語の台詞は相対的に少なかった。また全般的にストーリーよりはアクションに比重が置かれていた。
果たして『力道山』の選択に観客はどういう反応を見せるか、今から期待される。