91年から日本で活動している李奎炯(イ・ギュヒョン)監督は4年前「いよいよ再び映画を作る。軍隊映画だ。日本人も感動させることができる方法を分かっている」と言った。

 監督のこの言葉を現実にしたものが日本の韓流ブームだ。投資者を見つけることができず宙に浮いてしまった監督の映画は、韓国映画の可能性に注目した日本の東映が15億ウォンの投資を決定、ついに完成にこぎつけた。最初の試写会も韓国ではなく日本で行われた。

 9日夜、東京・銀座の東映劇場で李監督の新作『DMZ非武装地帯』のプレミアム試写会が行われた。韓流ブームと韓日双方で積極的なマーケティングを展開したお陰でこの日の試写会は盛況だった。

 『DMZ非武装地帯』は80年代前後、実際に最前線のDMZで捜索隊として勤務した李監督の経験に基づいて描かれている軍隊映画だ。

 映画の後半部分では共産軍の鉄柵線侵入事件を扱う。当時、鉄柵線付近では武装した共産軍が韓国の警備状況を探索し、鉄柵線をくぐって南下してから再び北上する事件が頻繁に起った。

 このため交戦や人命被害が絶えなかった。最近ちょうど、DMZの鉄柵線が切断されるという事件が起こり、「映画に先見の明があったのでは」といった話がこの日の試写会でも話題となった。

 李監督はこの日の晩、試写会が終わった後に「私の映画を観て涙を流す外国人がいるということに意義がある」と語った。試写会に参加した日本の有名俳優、松方弘樹さんも「たくさんの涙を流した」と言う。

 しかし、この映画が「韓流ブーム」をさらに活発化させるようなヒット作になるかどうかは、韓国での反応によって違ってくる。試写会のレセプションで会った日本のゲストたちは皆口々に「韓国でヒットしてこそ日本で公開することができる」と語っていた。

 「韓流」とは、まさに韓国から流れて来るという意味だからだ。韓国では26日の公開予定で、日本では来年の4~5月頃の公開が予定されている。

東京=崔洽(チェ・フプ)特派員 pot@chosun.com

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