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【日本の中の韓流/3】 浸透する韓流…日本文化「中興論」起こる
日本のフジテレビは今年の夏、『東京湾景』というドラマを放送した。在日韓国人の女性と日本人の純愛ドラマだった。このドラマは放送後に「韓流ブームが作ったドラマ」という評価をされた。
主人公に在日韓国人を登場ウせ、母親と娘が主要人物として登場する基本構造自体が韓国映画『クラシック』(日本タイトル『ラブストーリー』)と似ていて、傘の中で雨を避けるシーンは『八月のクリスマス』、ペンダントに関係したシーンはドラマ『夏の香り』とそっくりで、『冬の恋歌』(日本タイトル『冬のソナタ』)の影響も受けているというものだった。
春川(チュンチョン)市内にあるハングルの看板をそっくりそのまま再現した「冬ソナフェスティバル」を開催している岐阜県各務原市や韓国ドラマのようなドラマを制作する日本の韓流ブームには他国にはない特徴が見られる。
台湾をはじめ、ベトナムなどの東南アジアでの韓流ブームが韓国ドラマそのものに熱中しているのに比べ、日本の韓流ブームは韓国ドラマのストーリーや登場人物、演出までも自分のことのように深く入り込んでいく傾向が見られる。
数千年間、韓半島や外部の渡来文化を独自化してきた日本社会の長年の伝統が韓流ブームでも見られるという分析もそういった理由からされている。
そのため韓流に対する日本社会内部の分析も肯定や否定など多岐にわたっている。『冬の恋歌』とヨン様(ペ・ヨンジュン)に対する熱狂ぶりは、プラトニックな恋愛物語に飢えた最近の日本人の性向が現われた証しという日本の内部問題を指摘する意見がある一方で、韓流人気の原因を分析して日本ドラマの発展に役立てなければならないという反面教師的な意見も出ている。もちろん「韓流などない」というアンチな意見もある。
そうした一方で「韓国では日本ドラマがヒットせず、韓国人は日本を嫌がっているのに日本人だけが韓国に熱中していることが望ましいことか」といった意見もある。韓流はどんどんと入ってくるのに、なぜ「日流」は受け入れられないのかというものだ。
日本では韓国の日本の大衆文化開放がいつ、どういった形で行われているか、といったことに関心が高い。98年に始まった段階的な開放政策は一通り終わったが、まだ韓国で日本語による歌手公演はできず、ドラマやテレビ番組も地上波では放送することができない。
日本で韓国ドラマが韓国に対する認識を変えたように、日本ドラマが「日流」としてブームとなれば、根深い反日感情や偏見も長期的に緩和されるのではという期待がもたれている。市場規模よりは日本文化の復権になるという部分に重きが置かれている雰囲気だ。
しかし期待していた日本ブームが韓国内では思ったより吹かなかったという点で、日本は残念な気持ちを隠せないでいる。日本のメディアは最近、韓国内で日本ドラマの視聴率が高くないという点を関心を持って報道している。
こうした一方通行の「韓流」について右寄りの日本メディアでは「それ見たことか、日本人がヨン様を追っ掛けている場合ではない」とし、韓流ブームに露骨な冷たい視線を向けるコラムが載せられたこともある。
しかし、韓流が日本に及ぼした影響は尋常ではない。何より日本の文化人たちの考えが変わった。韓流以降、日本の文化界では韓国のように政府が文化産業を積極的に支援し投資すべきだという見解が出されており、実際に一部は政策に取り入れられている。『シュリ』が日本で大ヒットした時、日本映画の監督たちが衝撃を受けたのは激しい都心の銃撃戦シーンだった。
日本の監督たちは「日本なら(撮影が)不可能だっただろう」とし、「韓国の映画が蘇ったのは政府が文化産業振興政策を取ったため」と強く主張している。日本は今年4月に東京大学で「コンテンツ創造科学産学連携教育プログラム」を作り、5億円を投資し映画見本市を作る文化コンテンツ振興案の報告書をまとめた。もちろんモデルは韓国だ。
東京=チェ・フプ特派員 pot@chosun.com