スターインタビュー
パンキッシュな5thアルバムをリリースした紫雨林
「紫雨林五」
紫雨林が2年ぶりにリリースした5thアルバムには漢字4文字が並んでいる。デビュー8年目を迎えた紫雨林はその4文字だけでも十分に人々を熱狂させる。
今回のアルバムでイ・ソンギュのギターはどんな音を奏でるのか、キム・ユナの歌や歌詞はどうなっているのか…そう考えただけでもファンは胸ときめかせる。
紫雨林のニューアルバムのリードトラック『ハハハソング』はスカパンクだ。スカパンクとは軽快なリズムにホーンセクションをフィーチャーしたジャンルの一種。
2年前の4thアルバムから電子音をなくした紫雨林は、ニューアルバムでもさらにそれを徹底させている。
これが世界的な「ガレージ・ロック・リバイバル」の流行なのかと思ったが、メンバーの表情はまったくのいつも通りだった。
「私たちはその時々にいいと感じた音楽を今までやってきました。今回はパンクに関心がありました。紫雨林になかったのではなく、新たに発見したことを引き出したのです」(キム・ユナ)
「紫雨林のレコーディングのスタイルは収録前にすべて計算されて行われます。なのでレコーディングは4週間くらいで終わります」(ク・テフン)
いつも聞きたいと思っていたのは、97年に弘益(ホンイク)大前での活動からスタートして韓国の代表的バンドと言われるまでになった紫雨林だが、今までに一度もメンバー同士のトラブルはなかったのだろうか。
キム・ユナは2枚のソロアルバム、イ・ソンギュとキム・ジンマンは「Choco Cream Rolls」というプロジェクトでアルバムを発表し、ク・テフンは「SOUND HOLIC」というライブハウスを運営して各自の領域を広げている。
「私たちはサークル感覚で音楽をやっています。もちろん音楽的な意見の不一致はあります。ところが一日経ってしまえば自然にまた意見が一致するんです。リッチー・ブラックモアが4人のいるバンドは決して長続きしないでしょうけどね」
リッチー・ブラックモアとは何度もメンバーチェンジをした英国のバンド「レインボー」のリーダー。
キム・ユナの歌唱力は7年ではなく、まるで17年歌っているように完璧で、非常にまっすぐでタイトな印象を与える。彼女は2枚目のソロアルバムを出した時のインタビューで「自分の歌に納得できるようになって間もない」と言っていたが、まさに謙遜でしかなかった。
今回のアルバムは一方でイ・ソンギュンのギターを聴くだけでも十分に楽しめる内容になっている。
「Choco Cream Rolls」のアルバムでディストーションを使いすぎだと評価されたイ・ソンギュンのギターは、13曲すべて違った音を聴かせてくれる。
サイケな『Silicon Belly』(整形手術を皮肉った曲)や『私たちに明日はない』の楽劇団のようなギターサウンドを聴けば、メンバーの「最高のギタリスト」という絶賛の言葉は決してオーバーではないことが実感できる。