映画
金基徳監督がベネチア映画祭で監督賞受賞
金基徳(キム・ギドク/44)監督の映画『空き家』が11日(韓国時間)に閉幕した第61回ベネチア国際映画祭で「監督賞(Award for Best Direction)」を受賞した。この映画は「自分の空虚感を埋めてくれる相手を求める女と、ォ家を転々としながら暮らし、女の心を満たす男」の物語だ。
今年2月のベルリン国際映画祭で、『サマリア』で監督賞を受賞した金基徳監督は、今年開かれた世界3大映画祭のうち2つの映画祭で、違う作品の監督賞を受賞するという例のない成果を挙げた。
今年5月に朴贊郁(パク・チャンウク)監督(『オールド・ボーイ』)がカンヌ国際映画祭グランプリ(審査委員長大賞)を受賞したのに続き、金監督の相次ぐ監督賞受賞で、韓国は同じ年に開かれた世界3大映画祭の主要部門を受賞するという記録を達成した。
金監督は1996年『鰐』でデビューして以来、破格の映画スタイルと超低予算、短期間での映画制作などで「韓国映画界の異端児」と呼ばれてきた。韓国映画界のスターシステムと産業的な制作形態を批判してきた金監督は、今回の受賞作『空き家』も制作費10億ウォンを投じ、わずか13日で撮影した。
公教育は小学校までしか受けていない金監督は、デビューから8年間で11作品を制作し、いずれも海外の映画祭に招待される「珍記録」を記録し、今回の作品を含めて全部で5作品が各種の映画祭で受賞した。
ベネチア映画祭(『島(日本タイトル:魚と寝る女)』『受取人不明』)、ベルリン映画祭(『悪い男』)の常連。『島』『受取人不明』『悪い男』など金監督の作品は、鮮明な絵画的イメージと独特な展開で国内外の批評家から注目されてきたが、女性蔑視や残酷さなどから激しい論議を巻き起こしもした。
ベネチア映画祭の大賞である金獅子賞は英国のマイク・リー監督の『ベラ・ドレイク』、審査員大賞はスペインのアレハンドロ・アメナバール監督の『Mar adentro』に贈られた。