「視聴率44%のドラマ『パリの恋人』の作家、キム・ウンスク氏とカン・ウンジョン氏、第1~4話のシナリオは全部で10種類」

 数日前、『朝鮮日報』にこんな内容のインタビュー記事が掲載されていたが、そこには久しぶりに見る顔なじみの姿があった。

 昨年、筆者がこの二人の新世代作家に会ったのは、SBSテレビの週末ドラマ『太陽の南側』の企画会議だった。筆者の親しい先輩がディレクターを務めていたことから、オブザーバーとして会議に何度か出席してから数カ月間、二人とよく夕食を共にしたことがあった。

 当時、二人の作家に対して感じた印象は、普通のドラマ作家とはかなり違った面があるということだった。

 そこで今回は、最近の売れっ子作家の共通点を「成功する新世代作家たちの7種の習慣」と題して分析してみた。

 まず、新世代の作家は作家社会の慣行や思考に固執していない。

 シナリオにまったく手を触れさせない作家的なプライドを押し通すよりも、ディレクターなどの他人の意見を大切にし、膨大な時間と熱情を注ぎ込んで、いくつかのバージョンのストーリーを描き、その中から最も優れたものを選ぶといったスタイルだ。  

 また、グループや派閥、親しい制作陣や芸能人にも固執しない。

 2番目に視聴率に執着していない。視聴率を考慮しながら大きなストーリーの流れまでを変えてしまう既存の作家たちが近ごろ受け入れられていない理由を本能的に感知したのか、それとも感覚的な新世代の柔軟さが良い方向に影響したのかも知れない。

 3番目は金銭的な欲がないということ。多くの作家が物を書くというストレスを解消するために稼いだものをすべて使い果たしてしまうが、新世代の作家たちは貯蓄をしながら暮らすような人はそれ程おらず、財テクにもまったく興味を示さなかった。

 4番目は逆説的に恋愛が下手だということ。ほとんどすべてのドラマに取り入れられているラブストーリーを書く立場でありながらも、本人自身はまともな恋愛もできなかったために半分以上が独身主義者やオールドミスのままでいる。

 5番目は酒、タバコが第一という人が多い。執筆という仕事がどれほどストレスが溜まるかということを代弁するように、ほとんどの作家がタバコを吸って、酒を楽しんで恋愛をする段階をすでに過ぎた人々だった。

 最後にすべての作家が執筆そのものを非常に恐れていた。そのため最後の瞬間まで悩みに悩んで締め切り間際になってシナリオを完成させる作家が多かった。

『仏法僧はいる』『ソウルの月』などを手がけた作家の金運経(キム・ウンギョン)さんは、ある賞を受賞した際に感想として「文章を書くことをやめて、どこか遠くに逃げ出したいと思ったことは一度や二度ではない」と語ったが、執筆の恐ろしさは作家にとって今も昔もまったく同じようだ。

 ドラマ作家はマラソン選手だ。決まった最終回というゴールに向かって渾身の力を振り絞って力と熱情をすべて捧げる。『パリの恋人』の視聴率が好調なだけに、再びテレビ局側から何回か延ばしてほしいと言われるだろう。断言するが、これは本当に作家を二度苦しめる行為だ。

ペク・ヒョンラク/放送作家

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