「NHKで米国の『ER緊急救命室』をはじめ、世界の人気ドラマを数多く放送してきましたが、『冬の恋歌』(日本タイトル『冬のソナタ』)のように幅広い視聴者から、これほどまで大きい反応はありませんでした。男女の境目が曖昧になって個人主義が蔓延した日本で、心温まる韓国ドラマが受け入れられたようです」

 ヨン様ブームを巻き起こした『冬の恋歌』の日本での放送責任者を務めるNHK衛星ハイビジョン局の小川純子プロデューサー(44)が来韓した。

 小川プロデューサーは韓日社会文化フォーラムと韓国文化観光政策研究院の共同主催で15日に開幕した「日本国内の韓国大衆文化コンテンツの流通現況と波及効果」に関するフォーラムに討論者として招かれ、訪韓した。

 海外ドラマの輸入や編成、プロモーション責任者である小川プロデューサーは「初恋を描いた一本の韓国ドラマが、日本人が忘れていた数十年前の純粋で温かかった時代に対する郷愁を呼び起こした」と語った。

 「特にユジンを演じた崔志宇(チェ・ジウ)さんの透き通るような美しさと従順な姿は、60年代の純愛ドラマのヒロインとして人気を集めた吉永小百合さんと非常に似ていて、近頃の日本女性には見られないイメージです」

 小川プロデューサーはミニョンを演じたペ・ヨンジュンについて、貴公子のようなルックスだけではなく、最近の日本の芸能人には見られない上品さがあり、優しく、頼もしいキャラクターが日本女性のハートをつかんだようだと分析した。

 小川プロデューサーは「主演の二人だけでなく、家族がキーポイントを握っていて話に厚みを加えています。また、主演の二人が見せる他人に対する真剣な態度や詩的な台詞などは、日本ドラマでは見られません」と語った。

 「海外ドラマは普通、若い女性に人気ですが、年配の男性ファンの多さには驚きました。10代から90代まで、幅広い年齢層の間で韓国ドラマが人気です」

 1985年にNHKに入社した小川プロデューサーは、昨年5月にNHKが『冬の恋歌』を衛星放送で初めて放送した際にプロデューサーを務めてドラマの人気を実感したという。

 『冬の恋歌』が地上波のNHK総合テレビで放送されている今も小川プロデューサーは『冬の恋歌』に関連した特集番組の制作や今後放送する韓国ドラマの検討を行うなど、韓国ドラマに携わっている。NHKはすでに『大長今』の放送を決定しており、放送決定の選考基準は「韓国での視聴率」だったという。

 「私たちはドラマのサンプルだけではなく、時間をかけてすべて見て、韓国に出向いて監督や出演者と直接会ってから放送を決定します。視聴者の皆さんの受信料で運営していますので、こうした検討は徹底して行われます。『大長今』は朝鮮時代が背景なので日本の視聴者には向いていないと思いましたが、女性のサクセスストーリーが非常に興味深く描かれているので放送を決めました」

 小川プロデューサーは「韓国ドラマの人気がこれからも日本で続いて、個人的にも韓国ドラマとの縁が長く続いてほしいです」と笑顔で語った。

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