スターインタビュー
親近感溢れる映画『孝子洞理髪師』で熱演した宋康昊
この映画は大統領府の近くにある孝子(ヒョジャ)洞で理髪店を経営した理髪師のソン・ハンモが、大統領の担当理髪師になって経験する60~70年代の激動の韓国史を寓話的に描いた作品だ。
ソン・ハンモは大統領専属の理髪師になって周囲からは羨望の眼差しで見られるが、大統領府ではただの理髪師でしかない。大統領を取り巻く警護室長と中央情報部長の勢力争いの中で彼の立場はますます苦しくなるばかり。大統領の前では度胸のないただの理髪師に過ぎなく頼りない存在だが、一人息子のことをこの世で何よりも愛する心優しい父親でもある。
「笑いと共に深い感動を与えるシナリオに惹かれて出演を決めました。こういうスタイルでも韓国の現代史を描くことができるんだと驚きました」。
宋康昊(ソン・ガンホ)は今回の作品が『反則王』『共同警備区域/JSA』『復讐は我がもの』(日本タイトル『復讐者に憐れみを』)『YMCA野球団』『殺人の追憶』など過去の出演作の作品性と興行性の受け継ぐものだという確信に満ち溢れていた。
「観客が私の演技を見て笑ってくれるのは、それだけ身近な存在として感じてくれているのだと思います。自然でコミカルな演技こそがむしろ笑いを催すものだと思いますが、まさに『孝子洞理髪師』がそうなんです。もちろんジーンとさせるような感動もあります」
宋康昊は映画の中で妻であり理髪店で顔剃りを担当する文素利(ムン・ソリ)と共にソウル市・乙支路(ウルチロ)4街市場通りにある某理髪店で一カ月間の特訓を受けた。
「最初の実習は老人ホームのお年寄りに少しの謝礼を渡してお願いしたのですが、どうも大人の頭に悪戯をしているような気がして結局はスタッフを練習台にしました。もちろんまだ上逹してなかったので次の日には床屋に直行するスタッフが多かったのですが、最近ではみんなして私に散髪を頼むんですよ」
宋康昊は『孝子洞理髪師』の公開と同時に次期作品の『南極日記』(イム・ピルソン監督/サイダス制作)の撮影に入る予定でいる。南極探検隊を描いたこの映画で宋康昊は探険隊長役を演じる。しかし、問題なのは6月から3カ月間にわたってニュージーランドの氷河地帯で撮影をしなければならないのだが、寒さが大の苦手だという。
「肉があまり好きじゃないせいか、肌が薄くて寒さに弱い」と言う宋康昊は「寒さを忘れるためにお酒でもたくさん持って行かなくちゃ」と酒豪らしい面を見せた。
『スポーツ朝鮮/キム・ホヨン記者 allstar@sportschosun.com 』