エンタメニュース
【芸能学ファイル】日本を「ヨン様ブーム」一色に染めたペ・ヨンジュン
2000年のいつだったかは正確に思い出せないが、ともかく映画俳優の劉智泰(ユ・ジテ)の人気が絶頂の頃だった。
彼が明洞(ミョンドン)でチャリティーサイン会を開くというので参加したことがあったが、ファンがあまりにも多くて明洞の街が一瞬にして麻痺した。あの時、1000人くらいが集まったことを覚えているが、人気の威力を楽しむ暇もなしに主催側は急いでサイン会を終えなければならなかった。万が一の事故に備えてのことだった。
ところで先週は一人の人物を警護するために1000人もの警察官が集まった事件が日本で起こった。それも自国民ではない外国人のための警備だった。その人物とは他でもない現在日本で放送中の『冬の恋歌』(日本タイトル『冬のソナタ』)の主人公、ペ・ヨンジュンだ。
ペ・ヨンジュンの人気がどのくらいすごいのか、日本にいる友達に電話をしてみると、日本の女性の間では「教祖様的存在」だという。彼女らはペ・ヨンジュンのことを「さん」では物足りず「様」という最高の呼称を用いているという。
その「ヨン様」が日本に到着した羽田空港は、出迎えた5000人のファンで麻痺し、場所を移す度に数千人が同時に移動するなど周囲は一時騒然となったという。「ヨン様」がファンに手を振れば何人かが気絶し、「ヨン様」が振り向いて笑顔を振りまけばまた何人かが失神したというのだから驚きだ。
さらには2000人の参加者を募集したファンミーティングには6万人以上が参加を申し込み、ともかく少しでも「ヨン様」に近付きたいという理由で約15万ウォンものチケットが取引されたというのだからまったく理解ができない。
「ヨン様」人気がこうした女性ファンだけに限定されているのは?と早合点するのは大きな誤算だ。ペ・ヨンジュの訪日期間中に日本のポータルサイトの検索順位でも3サイトで1位になり、筆者が確認のためにヤフージャパンのページを開くと何とトップページに、それも中央部分にペ・ヨンジュンの写真が掲載されていた。
また「ヨン様」人気を証明するかのように『冬の恋歌』の小説をはじめとする関連図書が約200万冊も売れ、BoA人気とリンクして韓国語学習者も増加するなど、完全なブームとして成り立っていると専門家らは分析している。
さらには(韓国では先月、国会議員らが弾劾偏向放送を抗議しにテレビ局へ行っても局長レベルの人間しか出てこないにも関わらず)「ヨン様」が日本の某放送局を訪問した際には、局の会長が出迎えて韓国で人気の日本人タレントのユミン(本名:笛木優子)が最近、「ヨン様」と一緒に写った写真のために人気が上がっていると語ったのを聞いて、人気が上がれば権力にもなり得るという言葉が自然と実感できた。
筆者が知るペ・ヨンジュンは、何年か前にキム・ソクフンをスターにした「洪吉童(ホン・ギルドン)」役のオファーを受けたがイメージが合わないと断った本当に真面目な俳優、遅くに大学へ入学して全科目「A」の成績で卒業した優等生、車よりも自転車が好きなマイペースな印象の人物だった。
彼のこうしたピュアな面と情熱を、日本での「ヨン様ブーム」の武器にしてほしいと、“教主”に伝えたいものだ。
ペク・ヒョンラク/放送作家