「朴新陽(パク・シニャン)がプロの詐欺師?」

 「詐欺師」という言葉がどこかぎこちなくしっくりとこない。スクリーンで常にまっすぐなイメージや義理に厚い役ばかりを演じてきた代表的な人物が朴新陽だからだ。

 韓国銀行に詐欺を仕掛ける心理詐欺映画『犯罪の再構成』で朴新陽は、観客の先入観を痛快に吹き飛ばし、溌剌で愉快な詐欺師とパッとしない陰気な小説家役の一人二役に挑戦する。

▲完璧で蜥_な詐欺を働け=韓国銀行に詐欺を仕掛けるという無謀な詐欺映画『犯罪の再構成』は、チェ・ドンフン監督が自ら手がけたシナリオを基盤にしている。

 大学時代に住宅保証金の1800万ウォンを詐欺に遭った経験がモチーフになっている。96年に韓国銀行の亀尾(クミ)支店で起こった現金9億ウォン盗難事件もヒントになっている。


 朴新陽(チェ・チャンヒョク)を含む6人の詐欺師たちは、完璧なチームワークで難攻不落の韓国銀行突破に挑む。消えた50億ウォン、そして散らばるカネと人々。

 多くの詐欺事件と実際の詐欺師に会って作られたリアルなストーリー展開に観客たちは最後まで気を緩められない。「いったい誰が犯人なのだろうか?」

▲新たなものに挑戦せよ=朴新陽はこの映画で金髪頭に挑発的なサングラス、赤いレザージャケットを着てチンピラのようなスタイルで登場する。

 ある時は真面目な銀行員、またある時は人気の整形外科医に変身する。一人二役の陰気な小説家チャンホ(チャンヒョクの兄)の役を完璧に演じきるために生まれて初めて5時間もかかる特殊メイクを21回もした。

▲通快さを与えろ=「誰もが一度は夢見る通快な詐欺劇」がこの映画のテーマ。

 「シナリオ自体が詐欺のようなもの」とは朴新陽の弁だ。「詐欺はテクニックではなく心理戦です。事件の一つ一つを組み合わせてみると楽しくなる」という朴新陽は「長引く不況や政治不安で絶望的な観客たちの一時的な清凉剤になってくれたらと思う」と語った。『犯罪の再構成』は来月15日の公開を予定している。

『スポーツ朝鮮/ナム・ジョンソク記者 bluesky@sportschosun.com 』

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