「なぜソウルのようにパワフルな大都市でエレクトロニカが流行っていないのか理解できません。世界的にも大都市の音楽と言えばクラブ系のエレクトロニカがスタンダードです」

 M3(マイアミ・ミュージック・アンド・マルチメディア・フェスティバル)に唯一の韓国人パネリストかつDJとして参加したピーター・ソン(31/韓国名:ソン・ヨンミン)は、「韓国でエレクトロニカフェスティバルが開催されたら、有名ミュージシャンを連れてDJプレイを披露したい」と語った。

 ピーター・ソンは今月7日、マイアミビーチで開催されたこのフェスティバルのセミナー「代案としてのモバイルミュージック」で他の7人のパネラーらと共に未来の音楽流通に関するパネリストとして参加した。この日の夕方にはマイアミの著名クラブ「Red」にDJとして出演した。

 DJ歴10年のピーター・ソンは海外同胞の2世。建築家の父親と美術家の母親の間に生まれた。ペンシルバニア州立大学で社会学と英語を専攻したが、子供の頃に始めたバイオリンを学んでいるうちに音楽を職業にすることを決めた。

 ピーター・ソンは現在、「Infinite City」というアルバムレーベルの代表を務めながら、携帯電話で聴くモバイル音楽ソリューションを開発する「Wicked Wireless」の副会長も兼任している。

 「Wicked…」社はネットサイト上で各ミュージシャン別にファンクラブを作り、楽曲をMP3でダウンロードしたり、携帯電話の着信メロディーにしたり、利用者が直接リミックスできるようにしたサービスを提供している。ピーター・ソンは昨年11月に米国で音楽流通の未来を論議する「モバイル・ミュージック・カンファレンス」も主催した。

 「韓国のIT技術は世界最高水準です。恐らく米国よりも5年は先を行っているでしょう。しかし、音楽の著作権に関する法律や音楽消費に関連した社会的システムは世界的標準を下回ります。韓国も違法MP3の問題が深刻ですが、こうした問題を解決するには技術だけではなく音楽を取り巻く全体の環境も同時に発展しなければなりません。将来的にはMP3プレーヤーが搭載された携帯電話が最も普及して身近な音楽媒体になるでしょうから」

ホーム TOP