「とにかくスンボムがおしゃべりなので私が話す出番がありません」

 趙現宰(チョ・ヒョンジェ/24)にSBSテレビのドラマ『日の光零れ落ちる』の撮影現場の雰囲気を尋ねるとこう答えた。本当にそうなのだろう。

 どうしてそんなに物静かに語るのか、せっかちな人間ならインタビューをしながら何度もやきもきするだろう。

 「それで?だから?どうして?何だって?」 こうして何度か急き立てると「私は…」とようやく口を開きだす。

 ところが趙現宰という俳優は話せば話すほど真面目だと感じるようになる。冗談一つに対しても真面目に答える。

 浅くその場だけの関係がまるでトレンドのようになっている最近の世代と趙現宰は明らかに違うスタイルだ。そんな彼なだけに『日の光零れ落ちる』への出演を決めたのも納得がいく。

 「シナリオを受け取って早速、目を通してみると本当に面白くて一度にすべて読みきってしまいました。慧喬(ヘギョ)、スンボム、私という3人の構図がとても安定していながらも色々とあって面白いんですよ」



 今回、趙現宰が演じている役はフランス留学を終えたパティシエ。つまり菓子職人だ。

 以前の放送で華麗な刀裁きを見て「本当に格好よかった」と褒めると照れくさそうに「いえいえ、あれは私の手ではありません」と言葉を濁した。

 料理の料の字も分からないという趙現宰は、そのためか今回は練習をかなりしたようだ。いくら代役を使うからといっても分かっていなければならないという説明だ。しかし、先週ついに趙現宰は血を見てしまった。

 一週間に三度も血を見たのだ。まず指を切って、焼酎の杯で手の平を切って、オートバイに乗っている時に膝を擦り剥いてしまった。

 「血を見ればヒットすると言うじゃないですか。血の出た量は少なかったですが回数だけだったらかなりのものでしょ?」と言いながら趙現宰は笑った。

 リュ・スンボムが同い年で宋慧喬は一歳年下のため自然と撮影現場の雰囲気も盛り上がると自慢する趙現宰は「毎回テレビに出る自分の姿を見ると恥ずかしくて仕方がない」と最後まで謙遜して見せた。

『スポーツ朝鮮/ユ・アジョン記者 poroly@sportschosun.com 』

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