日本の東京ドームでは最近、「世界らん展日本大賞2004」が開催されている。

 世界各国の華麗な蘭を鑑賞するのが主なイベントだが、その一方では熾烈な競争が行われている。その中でも蘭に制限されず、さまざまな花を用いてどれどけ美しく飾ることができるかを競う「フラワーデザイン」部門は、最近になって最も熾烈な争いが展開された。

 日本、中国、台湾など全世界から80人の参加希望者が殺到した。そのコンテストの優勝者(最優秀賞)に韓国人の崔星福(チェ・ソンボク)さんが輝いた。

 「ただ花が好きでもう少し勉強したいと思って日本に来ました。今は通っていた学校で全額を支援して個展もやってくれると言います。これからはヨーロッパや世界に進出するのが夢です」

 崔さんが今回の世界らん展のフラワーデザイン部門で最優秀賞を受賞した作品の名前は『清楚』。「デンドロキラムという花があります。とてもか弱い花です。この花を見て“清楚”と感じて1年をかけて構想して完成させました」

 読売新聞は崔さんの作品を「デンドロキラムの静かな存在感が展示会で審査委員の共感を得た」と説明している。

 最高の「フラワーデザイナー」に選ばれた崔さんは、2000年に何の当てもなく日本へ渡った。韓国で生け花を学んだことがきっかけだった。何よりも花が好きだという理由で美しく展示する方法をもっと学びたいと思い、高校を卒業してから10年間通っていた会社を辞めた。彼女的には大きな挑戦であると同時に冒険でもあった。

 「最初から難題だらけでした。言葉も出来ないし、生活費も自ら稼がなければならないし…。初めの頃は語学学校に通ってアルバイトを掛け持ちする強行軍の日々でした」

 語学学校に通い、その後はフラワーデザインの学校に入学した。入学後は奨学金も受け、受賞の数が徐々に増えてくると以前よりもだいぶ余裕が出てきたという。

 フラワーデザイン学校の2年間の課程を終えて卒業した昨年には、さらに専門的に学びたいと思い、一般のデザイン専門学校に入学した。

 「花を使った総合的な舞台などを手がけるためには空間的な感覚が必要です。花のデザインだけをしていてはそういった感覚は補えないと思いました」

 昨年2月に行われた「世界らん展日本大賞2003」では同部門の優勝を逃したが優秀賞を受賞した。昨年の「日本フラワーデザイン大賞」でもフリーワーク部門の1位、ブーケ部門の2位を受賞するなど、日本のフラワーデザイン業界ではすっかりお馴染みとなった。

 夏には仲間たちと共にインドネシアで、秋には東京で個展を予定している。崔さんは「卒業と同時にフラワーデザイン専門学校の講師になる予定」としながら、「日本のフラワーデザイン業界とつながりの深いヨーロッパにも進出したい」と語った。

東京=崔洽(チェ・フプ)特派員 pot@chosun.com

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