韓(ハン)尚宮(サングン、朝鮮王朝の女官)こと梁美京(ヤン・ミギョン)が、平壌(ピョンヤン)のグルメを堪能して帰国した。

 今月31日午後11時10分からMBCテレビで放送される『MBCスペシャル-北朝鮮伝統料理紀行』の撮影を終えての帰国だ。

 梁美京は今月19日にソウルを出発、北京を経由して20日、平壌に到着して4泊5日の日程で平壌市内の飲食店を取材した後、24日午後6時30分、仁川(インチョン)空港に到着した。梁美京は帰国後の第一声で「本当に寒かったです!」と語った。

 「子供の頃に氷柱がかちかちに凍って雪が膝まで積もったことを覚えていますが、大人になってからは冬がどんどんと短くなって本当に寒いと思ったことがあまりありませんでした。ところが平壌の順安(スンアン)空港に降り立った瞬間、本当に鼻が千切れそうでした。ものすごく冷たい風が吹いていたんです。北朝鮮の人々も久しぶりの寒い日に来たものだと言っていました」

 平壌で梁美京は真っ赤なチョゴリに紫色のチマに身を包み、玉流館や清流館など平壌市内の有名店4カ所を回って、料理長にインタビューを行った。梁美京は初めての地を訪れた興奮した声でこう語った。

 「清流館で食べたボラの汁物と平壌温飯が美味しかったです。魚が新鮮だと身が甘いんですね。大同(テドン)江の氷を割って腕ほどあるボラを釣って、豆腐とタマネギを入れて塩で味付けをした簡単な汁物があれほど美味しいとは思いませんでした。北朝鮮のタマネギはたまごの黄身ほどしかありませんが、辛くてぴりっとした味が一品でした」

 「平壌温飯は暖かいご飯に緑豆のチジミと鶏肉をのせて肉水(ユクス/牛肉でとったスープ)を注いで食べる料理ですが、温かくて素朴な味にすっかりはまってしまいました」

 犬肉で有名な「統一通り平壌犬肉家」とダチョウ肉で有名な「ヨンプン食堂」にも行った。梁美京は女性の肌に良いという話に目をつぶって犬の皮を蒸した料理を一口食べたが、「意外と生臭くなくやわらかかった」と感想を語った。

 ヨンプン食堂ではダチョウのマンドゥクク(餃子スープ)、ダチョウの卵で作ったカステラ、ダチョウのプルコギ、ダチョウのユッケジャンなど、ダチョウを使った25種類の料理を紹介した。

 あの有名な玉流館の冷麺も食べた。梁美京は「北朝鮮では化学調味料をまったく使わず、すべての材料の素材をそのまま活かしている」とし、「淡泊な肉水と長い麺の歯ごたえがとても印象的だった」と語った。

 これまでに平壌グルメを味わった芸能人は梁美京が初めてではない。黄海(ファンフェ)道・載寧(チェリョン)出身の宋海(ソン・ヘ)氏が昨年、平壌を訪れた時に「玉流館のキムチが最高だった。化学調味料を一切使わず、味噌、しょうゆ、コチュジャン(唐辛子みそ)だけで味付けがされたキムチを食べて忘れていた昔の味が口の中に広がった」と語ったことがある。

 両親の故郷は済州(チェジュ)と普州(チンジュ)で、釜山(プサン)で生まれソウルで育った梁美京には、宋海氏のような思い出はない。しかし、懐かしく思えないとしても同胞が作った料理は韓国女性、梁美京の目頭を熱くした。

 「料理の取材だったので、本当にたくさんのもてなしを受けました。とても美味しかったのですが、ふとある瞬間に申し訳なく思ってそれ以上食べることができませんでした。何か込み上げてくるものがあって食べ物が喉を通らなかったんです。思ったよりも人々は明るく元気に見えましたが、街中は本当に見るに耐えないものがありました。一緒に良い暮らしがきでればいいのですが」

 梁美京は気を取り戻して「人々が素朴で良かった」と語りだした。「道で住民たちにインタビューをした時、少しでも間違えると頬が真っ赤になります。子供たちが色とりどりの韓服を着て広場でコマや凧揚げをして遊ぶ姿が本当に良かったですね。

まったく、あんなに寒いのにね」

ホーム TOP