1996年からジャズを歌っている歌手の雄山(ウンサン/本名:金ウニョン)がついに初のアルバム『ラブレター』をリリースした。しかし皮肉なことに、こうしてリリースされたアルバムは何と日本製なのだ。プロデューサーも日本人(石橋敬一)だ。韓国のレコード会社がライセンスを取得して国内でリリースすることになった。

 高校を中退して出家した寺で得た法名をそのままアーティスト名にした雄山は、大学でロックバンドのボーカルを務めた。その後1995年12月、偶然に打楽器奏者のリュ・ボクソンに出会ってジャズの道に進むようになる。

 クラブではいつもジーンズをはいてパワフルな歌を聴かせる彼女は「今回アルバムを出したのも早すぎると思う」と語った。

 「ジャズ、いや音楽と言うものは、いくらやっても終わりがないでしょう。でも今は記録を残したいと思うようになったし、ファンの要望もあったので…。そんな時に日本からオファーが来たんです」。昨年末には日本の6都市を回るツアーも行った。日本では「ウンサンさん」、「ウンちゃん」と呼ばれている。

 96年に弘益(ホンイク)大前のクラブで初めて歌い始めた彼女は、現在は清潭(チョンダム)洞の「ヤヌス」と「Once In A Blue Moon」の舞台に定期的に立っている。彼女はスタンダードジャズをファンキーに歌うスタイルの歌手だ。

 アルバムにはエラ・フィッツジェラルドが最も多く歌った『I Want To Be Happy』をはじめとする11曲を収録した。すべてのジャズシンガーが一度は歌ったことのある『My Funny Valentine』をスローでファンキーなリズムに合わせて歌った。スティビー・ワンダーの『Superstition』が収録されて異彩を放っている。

 「自分で約60曲選びました。その中からプロデューサーの選んだ曲がアルバムに収録されました。私が書いた曲も入れたかったのですが、次のアルバムにすることにしました」

 レコーディングはニューヨークで行われた。雄山は「レコーディングを終えて帰って来てから心残りなことが多かった」とし、「初めてのアルバムだったので、プロデューサーに任せっぱなしになってしまった」と語った。

 「スローテンポな曲よりは、やはりファンキーでスピード感のある曲が好きだし自信もある」と話す雄山は、4月頃にソウルでも単独公演を行う予定だ。

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