林権澤(イム・グォンテク)監督の『春香伝』に抜擢され華麗なデビューを飾ったチョ・スンウの顔は、当初はこざっぱりとした金持ちの息子のように見えた。

 その後、観客たちは『ワニとジュナ』で彼の影の部分を目撃し、『フー・アー・ユー』では明るい少年の笑顔を目にした。そして、その後もスリラー『H』の不気味な眼光、『クラシック』の純粋な涙などを次々に目撃していった。

 チョ・スンウの顔は見る人によって違う表情に映るようだ。一重まぶたのチョ・スンウの目は、ある意味古風だが、その目に込められた表情は現代的だ。

 最近、朝鮮日報が12人の忠武路(チュンムロ/韓国映画の中心地)の映画制作者に「近い将来に大成しそうな俳優」を尋ねると、6人がチョ・スンウの名前を挙げた。

 2003年の『クラシック』で見せたロマンチックな演技で観客にまた一歩近付いたチョ・スンウは、2004年の春には林権澤監督の99番目の作品となる『下流人生』で、ファンにまた違う一面を見せるだろう。

 4・19革命や5・16軍事クーデターなど、激変する歴史を生き抜く一人の男を演じるチョ・スンウは、代役なしのアクション演技と歳月の深みを増していく巧みな内面演技を同時にこなし、新たな年を迎えた。

 チョ・スンウは急激に頂点に上り詰めるというよりは、毎年少しずつ地道に成長していくという最近では珍しい俳優だ。2004年、最も活動が注目される俳優に間違いない。だが、『下流人生』で一気にスターダムにのし上がるよりは、今年も相変わらず地道に成長への道を歩み続けるのだろう。

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