15年間監禁された男の復讐劇を描いた朴賛郁(パク・チャヌク)監督の『オールド・ボーイ』が、公開1週目にして全国で100万人の観客動員数を突破する大ヒットを記録している。

 当初は映画的な完成度は絶賛されながらも、暗くて馴染みの薄い内容のため、ヒットは難しいという意見が大半を占めていただけに、その分驚きも大きかった。

 3作目の映画『共同警備区域/JSA』の巨大な成功でスター監督になった朴賛郁監督は、卓越していたが興行的には苦杯を飲んだ『復讐者に憐れみを』に継ぐ『オールド・ボーイ』の成功で、再び脚光を浴びている。

 この映画で主人公のオ・デス(崔岷植(チェ・ミンシク)扮す)は高校時代に「一つのイメージに固定されることは良くないのに…」と独り言を言う。過去に行った数回のインタビューで朴監督は、ともかく固定されたイメージで捉えられるのを嫌がる人だった。それは才能がある人々の共通点でもある。

-予想を反しての成功だが。

 「素晴らしい俳優たちが出演して演技も卓越しているのだから当然だ。撮影前には多くの人々の反応はいまいちだったが、良い結果が出て幸いだ」


-前作『復讐者に憐れみを』は、なぜ興行に失敗したのか?

 「正直、非常にショックだった。残忍な上に結末も多少無理があって俳優の演技スタイルも冷酷過ぎたからではないだろうか。韓国人は情熱的な演技を好むようだ」

-常に俳優を重要視しているようだが。

 「映画で俳優の比重は絶対的だ。俳優には外見の魅力と雰囲気が非常に重要なのだが、崔岷植に最も魅力を感じたのも正にそういった部分だ。彼は外見に加えて台詞も完璧にこなす中々見られない俳優だ。ずば抜けた演技力については今更言う必要もないだろう」

―劉智泰(ユ・ジテ)がまったく新しい演技を見せたが。

 「この映画の中で私の最大のやりがいと言える。台詞の一言一言まで、その度に討論しながら一緒にキャラクターを作って行った」

-復讐というテーマを一貫して好むようだが。

 「私自らが怒りを抑えながら生きており、それが映画的に表現されることに興味を感じる」

-目立たず、真面目な人がもっと過激な想像をする場合が多いが、一種の“優等生的コンプレックス”なのか?

 「確かにそうだ。優等生とは欲望を表現せずに生きている人々のことを言うのではないか。だから映画的にもっと極端な表現を楽しむこともできる」



-この映画のように言葉で傷付けたり、逆に傷付いたことはないか?

 「ある無名俳優に将来性があると思い『次回は必ず一緒にやろう』と声を掛けておきながら約束を守れず、会う度に申し訳なく思う。反対に私が傷付けられることは、記者や評論家、そしてネット上での批判である場合が多い。優れた批判であれば、より深く傷付く。歯切れのいい刃で切られれば、より深く切られるのと同じことだ」

-オ・デスのように監禁され、今までの過ちをすべて書き出せと言われたら?

 「やはり妻に対する態度がまず頭に浮かぶ。仕事のためだと言っておきながら、実は仕事なのか遊びなのか区別がつかないことが多いから…。

特に酒がね(笑)」

ホーム TOP