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キラキラ光る愛・風景に隠れた人間 映画『星』
孤児として育ち、通信会社のエンジニアを務めるヨンウ(劉五性(ユ・オソン)扮す)は、獣医のスヨン(朴チニ扮す)に片思いする。
遂に愛が実りかけたその時、約束の行き違いから誤解が生じて二人は別れてしまう。ヨンウは山奥での勤務を希望して小白(ソベク)山に就く。
チャン・ヒョンイク監督が『星』(1日公開)の制作を決めた時、当初のイメージは白い雪に覆われた山の上から見る空一杯の星ぼしではなかっただろうか。
タイトルを単刀直入に『星』としたこの映画は、ヨンウが育てる犬の名前さえ小説『星』の作家、アルフォンス・ドーテから取るほど徹底しており、純粋な時空間の中に飛び込んで行く。そして最近の韓国映画には見られなかった「叙情」に力を注ぐ。
この映画の核心を要約する部分を1シーンだけ選べと言われれば、死の境をさ迷うスヨンを山に残したヨンウが、医者を背負って星明かりに照らされた雪道を迷う光景を、遠くから撮ったシーンを選ぶだろう。
しかし、この場面で描かれた圧倒的な自然の風景に比べれば、スクリーンの中では一つの点に過ぎない人間ドラマは、劇的な運命のモチーフが用いられたとしても、まともに目に入ってこない。
『星』は、冬の夜空を眺める目には星明かりで一杯だが、手は寒さに満ちているような映画だ。
転勤の人事を決めるための会議場面をはじめとしたエピソードの数々は、細部の描写で臨場感が損なわれ、ヨンウが下ろしてくれていた動物病院のシャッターを、スヨンが自分で下ろしながら過去を思い出す、といった予め用意されたようなストーリー展開は、あまりにも強引だ。
転勤を基点に分けられる前半と後半のストーリーは、接点がまともに合わず、まるで2本の映画を観ているようだ。
キャスティングは十分に素晴らしい。一人一人見れば大きな無理はない。
しかし、節制に力を注いだ劉五性、飛び跳ねるように元気な可愛らしさを活かした朴チニ、独自のコミカル演技を披露するコン・ヒョジン、全身で演じる演劇的な李豪宰(イ・ホジェ)、顔の表情変化に集中するテレビドラマ的な金ヨンの演技は、互いに調和を成すことができないまま、それぞれの個性を発揮するにとどまっている。