日本の写真家 荒木経惟(62)は過去20年間韓国を訪れ写真を撮影したが、韓国で個人展を開くのは今回が初めてだ。一民(イルミン)美術館で開かれる『荒木経惟写真展』(15日~来年2月23日)を控え、作家が最も心配したのは検閲だったという。変態の性行為を連想させる彼の挑発的な写真のため、過去日本での展示会では企画者が連行され、作品を押収されたりもした。

 台湾での展示会では、大学生たちが展示場に石を投げた。昨年、英国のバーミングハムでの展示会でも、地域社会から批難の声が上がった。

 このようにわいせつなことで悪名高き作家であるが、彼は世界の主な美術館やギャラリーで相次いで招待展を開くなど、芸術的に脚光を浴びている。これまでに出版された写真集が250冊あまり。日本よりは米国や欧州のファンサイトが多いという彼の展示を待ちわびながら、国内の荒木のファンもどよめいている。

 一般作品は500点あまり。これにポラロイド写真1000点あまりで日本と韓国の空を再構成した大作が登場する。

 今回のソウル展でも「わいせつか、芸術か」の論争が巻き起こる可能性がある。今回の展示会の強度は?美術館の関係者は「全体を10とした場合、9程度」とした。展示場を前もって見て回った某評論家は「極めてひどいものは除外されたようだ」と話した。


 美術館は「展示の一部を『18禁』にしようとしたが、作家が反対し、代わりにガイドを配置し、青少年の観覧を指導するつもり」と明らかにした。また、写真の専門家たちを事前に招請し、意見を求めるなど、補完装置を設けている。

@展示のタイトルは『小説ソウル、物語東京』。過去20年間、ソウルを撮影した写真や東京を撮影した写真を通じて、両都市の変化、そして都市が抱いている生命力と虚しさを、作家的想像力を添加したストーリーで綴っている。荒木は、あるインタビューで、今回の展示を「ソウルと東京のビビンバ」、また「生と死のビビンバ」と説明している。

 展示場には多様な写真が、文字通りビビンバのように混ざり、カオス的なエネルギーを噴き上げている。

 まず、ソウル。市場の露店、派手な結婚式場、マンション、ごみの山、風俗店、交通渋滞、はさみでカルビをちょきんちょきんと切っているレストランの従業員…。突然、私たちの“すっぴん”と直面したように戸惑ってしまう。郊外の情緒溢れる「路地」シリーズもある。

 1982年、初めて韓国を訪れた作家は、「釜山(プサン)の市場通りで、無限の懐かしさ、母の子宮の中のような安らぎを感じた」と話す。

 作家は東京北東の三ノ輪の下町で幼年時代を送った。縁故のない売春婦の墓地が彼の遊び場だった。この時の経験が、生と死に対する強烈な情緒を彼の脳裏に刻み込むきっかけとなった。

 ポルノグラフィーを連想させる写真や満開している花のシリーズなど、生が活気付くほど死の兆しも大きくなる。生命力が熟すほど、虚しさも膨らむ。

 日本の評論家 飯沢耕太郎氏は荒木の作品の中には「セックスと死がともに重要な位置を占めている」とし、「生が最高の無我の境に達した瞬間、死の影が忍び寄る」と説明する。

 東京を盛り込んだ写真には、トレードマークとなった「緊縛」シリーズも含まれている。様々なポーズで縛られている女性たちは、一様に無表情か穏和な表情をしている。日本の性文化の断面を見せる一連の作品に対し、作家は「心を縛ることはできないことを知っているから、体を縛る」と主張する。

 食べ物シリーズは平凡の事物の中から強烈な性的コードを見出した作品。弾けそうな卵の黄身、鉄板の上で焼かれている肉の塊など、食べ物は欲望を意味する装置だ。 

ケヒョン造形芸術大学の李ヨンジュン教授は「荒木氏は極度の審美主義者」とし、「極端なところまで押し通す彼の姿勢は、適当なところで止めてしまう韓国の芸術家たちに、特に参考になる」と話した。

問い合わせ: (02)2020-2055

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