ポン・ジュノ監督「1インチの字幕の壁、既に跡形もなく消えていた」

▲写真=NEWSIS
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 「最近、あまりにも多くの賞をいただいているので、受賞の感想が尽きましたね。とうとう、お酒の発言までしてしまいました(笑)。昨年5月のカンヌ国際映画祭から始まった旅が、一番幸せな形で締めくくられたようでうれしいです」。映画『パラサイト 半地下の家族』(以下、『パラサイト』)で世界の映画史を書き換えたポン・ジュノ監督はアカデミー賞授賞式後、ビバリーヒルズホテルで行われた記者懇談会で、「まだ実感がない。なぜ私たちに作品賞をくれたのかも分からない」と語った。出演者のイ・ソンギュンは「オスカーは(何かの制限の)線を越えたようだ。これが韓国映画史の出発点になってほしい」と言った。

 ポン・ジュノ監督は「外国語映画の中の字幕の1インチの壁」「アカデミー賞はローカル映画祭」などの発言を以前したことについて反省すると言った。「今になって考えてみると時既に遅しといった発言だった。壁は既に跡形もなく消えていた」。ますます雄弁になっていったのは「通訳がいる人の特権」だとも言った。監督は「最初の文だけを考えて上がっていけばいい。その文章を通訳する間、私は次の文を考えている」と語った。

 監督賞を受賞した時、『アイリッシュマン』で同賞にノミネートされていたマーティン・スコセッシ監督に敬意を表したのは「本心」だという。「ステージに上がると、スコセッシ監督の姿が目に入った。大学の時に本を読んで勉強した方なのに、その方をあそこに座らせて、私がこの場に立ったこと自体、とても非現実的だった」と言った。

 ポン・ジュノ監督の「ペルソナ」であるソン・ガンホは「映画『殺人の追憶』(2003年)から現在までポン・ジュノ監督の映画に4回出演したが、5回目は分からない。(ポン・ジュノ監督の映画は)とても大変だ。階段もすごくたくさん出てくるし、雨にもぬれなければならないし、半地下で過ごさなければならないし。次回が社長役ならば一度考えてみたい」と冗談を言った。

ロサンゼルス=イ・ヘウン記者
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