【萬物相】あまりにも多すぎる「有名人の自殺」

 テレビで明るい姿だけを見せていた芸能人の悲劇的な選択は、一般の人々に大きな影響を与える。人気女優だった崔真実(チェ・ジンシル)さんが2008年、その弟で俳優の崔真永(チェ・ジニョン)さんが2010年に自ら命を絶った時、人々は大きな衝撃を受けた。2人の死には2年という間隔があったが、今回の事件はわずか1カ月あまり後のことだった。有名人がこの世を去ると同年代の人々が影響を受ける、いわゆる「ウェルテル効果」を心配せずにはいられない。香港の俳優レスリー・チャンさんが高層ビルから飛び降りた時は9時間にファン6人が後を追った。

 韓国が「自殺率1位の国」という汚名をそそぐには、自殺に対する社会的認識が変わらなければならない。韓国保健福祉部によると、「自殺は苦痛を受けている状況から抜け出すための選択」という肯定的な認識がこれまでよりも増えており、自殺を拒否する姿勢は減っているという。人生を自ら放棄することがどれだけ悪い選択であり、社会に悪影響を与えるのか、子どものころから教育しなければならない。自殺後に美化されたり、ひいては英雄視されたりする社会的風土では自殺は防げない。有名人の自殺をめぐって「かわいそうだ」というニュースばかり競い合うように発信するメディアも問題だ。

韓賢祐(ハン・ヒョンウ)論説委員
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