コーデ上手な女性のチョイスは「ダッド・フィット」

 この秋、「着こなしが上手ね」と言われたいなら、お父さんや夫の服を借りてきた方がいいかも。彼氏の服を借りて着ているかのようなオーバーサイズの「ボーイフレンド・フィット(boyfriend fit)」の人気は今も熱いが、最近は「ダッド・フィット(dad fit)」もトレンドになっている。1990年代を感じさせる「レトロ」の流行と共に、ゆったりしていて少し古く、洗練しているというイメージからできるだけかけ離れた感じが一番おしゃれに見えるというのだ。海外ではリーバイスやラングラーなど「ダッド・ジーンズ(dad jean)」を掲げたジーンズ・ブランドが人気だし、女性らしい曲線の美しさを強調してきたデザイナーのビクトリア・ベッカムも「ダッド・フィット」のアイテムを多数発表している。

男女共用で着ることができる「Mトロイジャケット(M TROY JACKET)」のオーバーサイズを選んで袖を折り返し、ゆったりと着こなすタレントのキム・ナヨン。写真提供=BLACKYAK
▲ 男女共用で着ることができる「Mトロイジャケット(M TROY JACKET)」のオーバーサイズを選んで袖を折り返し、ゆったりと着こなすタレントのキム・ナヨン。写真提供=BLACKYAK

◇重ね着の時はメンズ服が一番

 ファッション界では「ジェンダーレス(genderless=男女の区別がない)」「ジェンダーフルイド(genderfluid=男女の区別が流動的な)」など男女の区別なくステージに立つのがトレンドだが、今では一般の人々のファッションも男女の区別があいまいになってきている。ファッション・リーダーとして有名な女優チョン・リョウォンやキム・ナヨン、現在放映中のドラマ『椿の花咲く頃』で気さくさが人気のソン・ダムビらがこうしたトレンドに火をつけた。彼女たちがジャケットやシャツ、コートなどオーバーサイズのアイテムをよく着ていることから、メンズ服を着る女性が増えているのだ。ファッション・ブランド「ビヨンド・クローゼット(Beyond Closet)」のデザイナー、コ・ヨンテ氏が発表したメンズのウェットシャツやカーディガンなどは購入比率が男性と女性で35:65だ。メンズ服は重ね着もしやすいし、シンプルに見えるがカフスやボタン、ポケットといったディテールを楽しむことができる。

 元モデルで、今は百済芸術大学で教授を務める50代のチェ・ミエさんを広告モデルに起用したアウトドア・ブランド「ブラックヤク(BLACKYAK)」は、チェさんが普段からメンズ服をよく着ている点に注目した。秋によく着られるフリースやベストも男女の区別なく着こなしやすいアイテムだ。大手ファッション企業コーロンFnCの「ヘッド(HEAD)」でモデルを務める歌手ソンミは、メンズサイズのフリースコートをおしゃれに着こなしている。メンズ・ブランド「シリーズ(Series)」のインターネット販売商品「247パンツ」は女性からも「はきたい」という問い合わせが殺到、レディースのF(female)サイズを発売したケースだ。昨年初めて登場し、今年は販売枚数を30%増やした。

メンズサイズのダッフルコートを着た歌手ソンミ。写真提供=HEAD
▲ メンズサイズのダッフルコートを着た歌手ソンミ。写真提供=HEAD

◇ゆったりしていてもヒップが小さいこともあるので気をつけて

 メンズ服をよく着るという「ザ・スタジオK(THE STUDIO K)」のデザイナー、ホン・ヘジンさんはメンズ服の良さについて、「ネットで購入しても失敗する確率が少ないから」と話す。ただし、体をしっかり包むようなスタイルではなく、どちらかと言うとパターンが平面的で直線的なシルエットなので、着心地が今ひとつの場合もある。スリム・フィットがお好みならアジアやヨーロッパのブランドのアイテムを、ゆったりとしたものがお好みならアメリカや北欧のブランドのアイテムを購入した方がいい。ホン・ヘジンさんは「メンズ服はどれも大きいと考えがちだが、肩のサイズが大きく、腕の部分が長いことを除けば、むしろヒップなどは同じサイズの婦人服よりも小さいことがあるので注意しなければならない」と強調した。カップルの場合は素材を統一してコーディネートするとおしゃれに見える。

崔宝允(チェ・ボユン)記者
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