ハッドグを高級レストランで! 韓国で食べ歩きグルメが進化

 「外国人シェフの友人がときどき韓国に来て、『韓国料理を食べに行こう』と言うことがあります。そのたびにまず明洞(ソウル市内の繁華街)に連れていきます。友人たちはハッドグ(ホットドッグ)やトルネードポテト、さまざまなフルーツジュースにじゅうじゅう焼かれた麦飯石焼きイカに特に熱狂するんです。ギョーザやカルグクス(韓国式うどん)も好きです」

 ソウル市中区にあるフレンチレストラン「L’amant Secret」のシェフ、ソン・ジョンウォンさん(36)は6月3日、「外国の友人たちが好きな韓国の食べ歩きグルメをファインダイニングで出したらとても面白いのではないかと前から思っていた」と語った。

ハッドグを高級レストランで! 韓国で食べ歩きグルメが進化

 創作は時には発見から始まる。外国の友人たちがおいしいと言って食べていた明洞の食べ歩きグルメに目を向け、ソンさんは最近「明洞からやって来た小さな一口」という名のカナッペを提供し始めた。麦飯石焼きイカは、東海(日本海)でとれたイカを揚げたものを黒い石の上にのせた料理に生まれ変わった。クール・ブイヨン(魚介類を茹でるための煮汁)を使って蒸したアワビが入ったアワビ・ハッドグ、明洞ギョーザからインスピレーションを得た巾着型のギョーザクレープ、路上で売られているジュースの味を感じられるパイナップルジュースコンソメなどからなる。「見た瞬間、『かわいい!』と言って笑ってもらえるようなメニューにしたかったんです。ファインダイニングはいつも正餐で重みのある料理ばかり出てくるという偏見を打ち破りたいという思いもありました」と話すソンさん。

 人々はよく新しい食堂を探し求め、一度行ったところにはなかなか行こうとしない。ファインダイニング・レストランとしては、メニューをたびたび新鮮なものへと変える試みをせざるを得ない。ソウル市江南区新沙洞の韓国料理店「OLH EUM」は季節に合わせ、混ぜ麺を提供している。軽食店スタイルの麺料理を思わせる名前。旬のエビやウニのほか、キャビアなどをのせ、限界を打ち破った。ソウル市竜山区漢南洞の「MOSU」はさまざまなドングリ麺を出している。名前は素朴な食べ歩きグルメのようだが、旬を迎えた魚にスープ、たっぷりのせたトリュフで味と香りをアップした。レストランガイド「ダイアリアル」のイ・ユンファ代表は「タイやベトナムのファインダイニングに行くと、食べ歩きグルメの活力をいっそう引き上げたメニューが少なくない。韓国もこういう試みが次第に増えていくものとみられる」と語った。

ソン・ヘジン記者
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