カンヌでベールを脱いだポン・ジュノ監督の『寄生虫』

▲写真提供=CJエンターテインメント
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「トレビアン!」(最高!)

 途中で一度、終わる直前に短く一度、そして終わった後に長々ともう一度。合わせて三度の拍手喝さいが『寄生虫』に降り注いだ。

 現地時間で21日午後10時。フランス・カンヌのパレ・デ・フェスティバル内にあるリュミエール劇場で、第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に進出したポン・ジュノ監督の新作映画『寄生虫』が初上映された。ポン・ジュノ監督をはじめソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チャン・ヘジン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウンなどのキャストが出席した。また『スノーピアサー』(2013)、『オクジャ』(2016)でポン・ジュノ監督と一緒に仕事をして親交のあるティルダ・スウィントンも出席し、取材陣の注目を集めた。

 映画が終わなり始まったスタンディングオベーションは、途切れることなく8分間も続いた。拍手と歓呼の声が、2000席以上もある大劇場内を埋め尽くした。熱気のこもった客席の反応に、ティエリー・フレモー執行委員長はポン・ジュノ監督にマイクを渡し、所感を語ってもらった。ポン・ジュノ監督は「夜も更けたので、家に帰ろう。レッツ・ゴー・ホーム。センキュー」と短くあいさつして、歓呼する観客を落ち着かせた。クリスチャン・ジュンヌ副委員長は「『寄生虫』は、今年の招待作品の中で私が最も愛する映画」と語った。

 この日、同作を鑑賞したある映画関係者は「歴代クラス」という反応を示し、別の映画関係者は「ポン・ジュノ監督の全作品を通して最高」とたたえた。ポーランドでの映画配給を担当している「Gutek Film」の関係者は「これまでこんな大胆で斬新な映画を見たことがない」と語り、北米での配給を手掛けるNeonの関係者は「非常に面白く、刺激的で、美しい」と評した。

 『寄生虫』は、家族の誰もが失業しているギテク一家の長男ギウが、高額の家庭教師の面接を受けるためパク社長の家に足を踏み入れることで始まる、両家の間で繰り広げられる事件を描く。資本主義の時代に恩恵を受けた側とそうでない側、両極の家族を通して、こんにちの現実と韓国人自身について振り返らせる作品だ。映画に登場する構図、空間、小道具の一つ一つが暗喩と象徴を帯び、映画をじっくりと味わわせる。

パク・ミエ記者
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