インタビュー:司祭役でファンを魅了したキム・ジェウク

インタビュー:司祭役でファンを魅了したキム・ジェウク

 魔物を追い払う司祭の重々しい声が海中で響く。「主イエス・キリストとマリアさまの名をもって命ずる、汝ら地獄の悪霊たちよ。二度とここに現れてわれらを誘惑したり、害を加えたりしてはならない」。俳優キム・ジェウク(35)が悪鬼を追って海に入り、水中で退魔の儀式を執り行う場面は、ドラマ『客 the guest』(OCN)最高の名場面に挙げられる。最後の退魔に合わせて、視聴率も自己最高記録となる4.1%までアップした。

 やせた体型に白い肌、気だるげな眼差し。常に「退廃美」という修飾語がついて回っていたキム・ジェウクが、黒い司祭服を身に着けた。悪鬼に取り憑かれた実兄が両親を殺したことで退魔司祭の道を歩むことになった、悲劇的なキャラクターを演じた。前作のドラマ『ボイス』(OCN)でサイコパスの悪役としてぞっとするような演技を繰り広げたのに続き、今回は命が危うい恐怖の中でも信念を守る司祭の役をこなした。「司祭服すらセクシー」という反応もおまけでついてきた。また、キム・ジェウクが手首に巻いていたバラのロザリオの売り上げも急増した。

 退魔司祭というなじみのない役をどのように表現するか、悩みは深かった。11月7日に対面したキム・ジェウクは、「退魔の儀式に関するセミナーを受けようと、フィリピンまで行った。理論から再現儀式まで見て、役に立った」と語った。もともと低い声がさらに重くなっていた。「暗い空気の重圧で次第に体力が落ち、1カ月前から風邪をひいたまま暮らしている。共演者たちと一緒に健康診断を受けに行こうかと」

 2007年のドラマ『コーヒープリンス1号店』(MBC)のイケメンバリスタ役で顔を知られるようになった。長い髪をきゅっとまとめ、黒のマニキュアを塗った男性キャラは、当時としては破格だった。キム・ジェウクは「こだわるつもりはなかったが、同じような役をしていて長髪のイメージが強くなった。最近では髪を短くしている」と語った。キム・ジェウクならではの冷ややかで暗めの雰囲気が娯楽ジャンル作品とマッチし、隠れた魅力があらわになった。『ボイス』では知能的な殺人犯役を務め、演技の転換点を迎えた。「僕がロマンス作品に出演したときは見向きもしなかった友人たちが、今回はみんな見てくれて『面白い』と言っていた」

 ケーブルチャンネル、平日深夜の時間帯に放送されるホラー作品という点から、『客 the guest』は大きな成果を挙げたと言えるだろう。キム・ジェウクは「第1話・2話を劇場で試写したけれど、スクリーンで見ても遜色ないほどクオリティーが高かった。音楽や美術、仕上げの作業の力が完成度を高めた」と語った。

 ドラマは人間が持つ「悪」をめぐる倫理的問題を提起し、好評を博した。作品の意味を説明するときのキム・ジェウクは、番組で演じた重みある司祭が憑依したかのようだった。「人間が本能的に持っている悪しき感情に隙ができたとき、悪霊がそこにつけ込んで入ってくるという設定なんです。世の中から完ぺきになくすことはできない『悪』をどう扱うか、に関する物語として受け取っていただければいいだろう」

ペク・スジン記者
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