「来世ではただ私たちのママとして…」 チェ・ジンシルさん10周忌

故チェ・ジンシルさん10周忌追悼式開催
一般向けにファンが企画した写真展も

「来世ではただ私たちのママとして…」 チェ・ジンシルさん10周忌

 雲一つない空は、まぶしいほど青かった。あまりにも早く散ってしまった一輪の花を慰めるかのように、3羽の鳥が切なげに鳴いていた。10月2日、京畿道楊平郡のカプサン公園墓苑で開かれた女優チェ・ジンシルさんの10周忌追悼式。チェ・ジンシルさんのために母親のチョン・オクスクさん、息子ファニ君、娘ジュニさんをはじめ、女性お笑いタレントのイ・ヨンジャ、チョン・ソニらおよそ20人が集まった。

 1988年にCMモデルとしてデビューし、その後ドラマ『嫉妬』『星に願いを』『暴風の季節』などに出演して「万人の恋人」と呼ばれたチェ・ジンシルさんは、2008年に自ら命を断った。当時7歳だった息子ファニ君は、今では17歳の青年に育ち、「こうした多くの方が来てくださったのを見ると、母は本当にすごい人だったのだと思う」とあいさつした。妹のジュニさんが少し遅れて到着すると、ファニ君は駐車場まで迎えに行き、手を取って連れてきた。制服姿のジュニさんは、準備していた花束を母親の墓碑の前に置くと、思い出したかのようにきれいに折り畳んだ手紙を取り出した。「ここで読もうと思ったけど、恥ずかしい」。追悼の墓参が始まると、ジュニさんは何度も空を見上げて涙をぬぐった。「ママはいつも私たちのそばにいると分かっていても、毎日毎日会いたい」

 芸能人仲間もも追悼式に出席した。チョン・ソニは「とても美しい人だったと、大勢の人がずっと覚えているだろう」と語った。イ・ヨンジャは「10年たつと忘れそうなものだが、楽しかったことをだんだん、一層はっきりと思い出す」「ファニ君、ジュニちゃんに母親が必要になるたびにその役目を代わりに果たし、天国でジンシルに会ったら『私があんたの代わりに、子どもたちが成長し幸せになる様子をしっかり見てきた』と話してあげたい」と語り、ついには泣き崩れた。

 チェ・ジンシルさんが埋葬されているおよそ20坪の墓を管理しているのは、ファンクラブ「ジンシルパラギ」のメンバーたちだ。この日も一番先に到着して墓碑に積もっていたほこりを払い落とし、菊の花を供えた。キム・ボギョンさんは「季節が変わるたびにメンバーと一緒に訪れ、掲示板の写真を磨いて墓碑をきれいにしている」と語った。また、メンバーらは10周忌に合わせ、一般の人も見ることができる写真展を、7日までソウル市広津区のトゥクソム展望文化コンプレックス「J-Bug」で開催した。

 母親のチョン・オクスクさんは「みんな、時がたつはとても早いと言うけれど、子どもに先立たれた母親の立場からは『時がたつのはなぜこんなに遅いのか』とつらい10年だった」と言って目を赤くした。ジュニさんが母親にあいさつした。「次に生まれ変わっても必ず私たちのママになって。次の人生では芸能人チェ・ジンシルではなく、ただジュニ、ファニのママとして会えたらうれしい。愛してる」

イ・ヘイン記者
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