夏にオススメの参鶏湯をめぐる謎

 昔から三伏(日本の土用の丑の日に相当)には暑さに備え、元気を取り戻すために参鶏湯(サムゲタン=丸鶏の中に韓方薬の材料やもち米を詰めたスープ)を食べてきた。では、参鶏湯はいつから食べられているのだろうか、また水炊きとの違いは何か、参鶏湯の中に入っているナツメは食べてもいいのかなど、農村振興庁が紹介する韓国を代表するスタミナ料理、参鶏湯に関する謎を見てみよう。

夏にオススメの参鶏湯をめぐる謎

◆鶏参湯? 参鶏湯?

 主な材料は鶏で副材料が高麗人参なので、本来は鶏参湯と呼ばれていた。鶏よりも高麗人参の方が貴重だという認識が広まったことで、今のように参鶏湯と呼ばれるようになった。

◆なぜ三伏に参鶏湯を食べるのか?

 三伏は1年のうち最も暑い期間だ。たくさん汗をかいて体力の消耗が大きい夏には、体が暑くても内側が冷えていると胃腸の機能が低下し、気力を失い、病気になりやすい。こうした理由から、体を温める食べ物である鶏と高麗人参を摂取することで、温かい気運を体の内側に取り入れ、暑さに疲れた体を癒す効果がある。

◆参鶏湯の歴史は?

 飼育した鶏に関する記録は青銅器時代からあるが、参鶏湯についての記録は朝鮮王朝時代の文献ですら見当たらない。朝鮮王朝時代の鶏料理としては水炊きが一般的だった。日本による植民地時代、裕福な家で水炊きや鶏スープに粉状の高麗人参を入れることで、参鶏湯がつくられた。今の参鶏湯の形態になったのは1960年代以降、大衆化されたのは1970年代以降だ。

◆水炊きとの違いは?

 調理法に大きな違いはないが、鶏が異なる。水炊きには食肉用鶏やおよそ2キロの地鶏が使われている。一方、参鶏湯は28-30日・800グラムほどの若鶏を使用する。

◆地鶏で参鶏湯をつくれるそうだが?

 農村振興庁では韓国の在来鶏を収集し、品種を復元して「わが味鶏」を開発。特に「わが味鶏2号」は、肉質がやわらかく、初期の成長が早いため、地鶏参鶏湯用にピッタリだ。

◆参鶏湯に入っているナツメは食べてもいいのか?

 誤って伝えられている俗説の一つに「ナツメは参鶏湯の材料の毒素を吸い込むため食べてはいけない」というものがある。参鶏湯に入っている材料はどても体にいいものばかりなので、敢えてナツメを避ける必要はない。

◆どんな体質の人にも合うのか?

 鶏と高麗人参は体を温める性質を持った食品だ。体質的に熱の高い人は高麗人参よりもキバナオウギを入れたり、冷たい性質の緑豆を加えて体内の熱を鎮めるのがよい。女性は手足の冷えや生理不順、貧血、便秘に効果があるニホントウキを入れるのもいい方法だ。

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