インタビュー:韓国映画に初挑戦、岩井俊二監督

-韓国語という異なる言葉を使う俳優をキャスティングして、韓国語の映画を作るということ。興味深いチャレンジでありつつ、容易ではないチャレンジでもあったはずだが。

「どうしても言葉が違うので、最初はコミュニケーションがかなり難しかった。ただ、逆に、言葉のほかは困難や違和感は全くなかった。一般的な日本人と韓国人は、話す言葉が違うだけで、そのほかは全く違わないと思う。たまたま今回韓国映画を作ることになったが、この機会を通して、この先どんな国の人とも一緒に映画を作ることができるだろうという自信が生まれ、次はほかの監督が挑戦しない何かに挑戦してみたい」

-ペ・ドゥナをはじめ、キャストの淡泊な演技も印象的だ。どういう理由でキャスティングしたのか?

「プロデューサーとキャスティングディレクターからいくつかアドバイスをもらいながら、慎重にキャスティングを進めた。彼らの推薦を受けて、最終的に日本でも認知度が高いペ・ドゥナを中心にキャスティングすることになった。これまでよく知らなかったが、ぺ・ドゥナはかなりナチュラルで、個性的で、立派な俳優だと思う。また、一緒に仕事をする間、穏やかな雰囲気を作ってくれるムードメーカー的な部分もあった」

-映画でペ・ドゥナは、本当においしそうにコーヒーを飲む。コーヒーはやすらぎでもあり、コミュニケーションでもあり、慰めだ。岩井俊二監督にとって、一杯のコーヒーとは。

「極端な状況にある主婦ペ・ドゥナが、どれほどつらく厳しい状況にあっても、『コーヒー』を飲むときくらいは全てを忘れ、本来の自分自身に戻るという意味を表現したかった。私にとって一杯のコーヒーは、時にはやすらぎを与えてくれる、時にはインスピレーションを刺激する、そういう存在にして瞬間」

キム・ヒョンロク記者
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