ドラマ『鬼』がもたらした「コン・ユ時代」

強くしなやかで美しい「鬼」を演じ、ドラマ人気をけん引
長身&洗練されたファッション・センスでコン・ユが着た服は完売
ロケ地巡りツアーも

ドラマ『鬼』がもたらした「コン・ユ時代」

 「君と一緒にいた時間はすべてまぶしいくらいだった。天気が良くても悪くても、どんな天気でも、どの日も全部良かった」。脚本家キム・ウン独特のセリフはこそばゆくなるほどロマンチックだが、コン・ユは気品を保ちながらさらりと言ってしまう。「鬼」、「あの世の使者」、そして「三神ハルメ」が登場するこの荒唐無稽(むけい)なファンタジーに、コン・ユの気品ある演技がリアリティーを与えているのだ。

 コン・ユは何となくCM監督を夢見て大学の演劇映画学科に入学、小遣い稼ぎのつもりでケーブルテレビ局のビデオジョッキー(VJ)をしていた2001年、偶然俳優の世界に足を踏み入れた。主に問題児や財閥グループ3世など軽く甘いイメージの役が多かった。しかし、彼は自分自身を「きまじめで面白くなくて非主流派の感性を持つ人間」と説明する。20代後半のころは俳優をやめようかと悩んでいたそうだ。そのころ、ドラマ『コーヒープリンス1号店』で男装のヒロインを愛する役を演じてブレークしたが、すぐ入隊した。「人間コン・ジチョル(本名)に戻ることができる癒やしの時間を過ごした」と話す。

 除隊後、コン・ユは「これからは自分の意志に基づいて行動したい。本当の悩みを明かしたい」と言った。それ以来、コン・ユは自分の限界を少しずつ壊していく挑戦を積み重ねた。映画『あなたの初恋探します』ではきまじめで鈍感な男を演じた。聴覚障害者に対する虐待という実話を映画化した『トガニ 幼き瞳の告発』は、コン・ユが自ら所属事務所に映画化を提案して大ヒットした作品だ。アクション映画『サスペクト 哀しき容疑者』では極限のトレーニングとダイエットで鍛えた筋肉がコンピューターグラフィックス(CG)ではないかと誤解された。

 俳優業も17年目に入ったコン・ユの出演作品リストはまだふぞろいだ。コン・ユは「私が語る人物たちの共通点は、生活に疲れていること」と説明する。『密偵』のキム・ジウン監督はコン・ユについて「一瞬の心の動きを表現する繊細な目の演技がすごい。哀れさも感じさせながら、壮絶さや悲壮さを表現するのに最もふさわしい俳優だ」と評した。

チェ・スヒョン記者
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