未来の自分が問いかける「愛のためにすべてを投げ打てるのか」

映画『君はいてくれますか』
原作はギヨーム・ミュッソの同名小説
キム・ユンソク&ピョン・ヨハンの好演光る良質なラブストーリー

年を取ったスヒョン「未来だからってすべてが良くなるとは限らない。メスで切らずに腫瘍(しゅよう)を取る手術もできるが、以前はなかった病気も増える。むしろ素朴だった昔の方が良かったという人も多い。それに、そのころは過去になんて実際に戻れないと思っていたし」

若いスヒョン「だから! オレが胸ぐらつかんで叫んだじゃないか『あんたにとっては過去でも、オレにとっては未来だ』って。『オレの未来はオレが作る!』て」

年を取ったスヒョン「だってオレは知らなかったんだ。『愛のためにすべてを投げ打つことができる』なんて」

若いスヒョン「その通り、オレはすべて投げ打った。事がどれだけこじれたことか。死ぬよりもつらかったかもしれないくらいだ。でもね、会いたくても会えない人がいるとしたら、何をしてでももう一度会うのが正しいことなのか?『三度目は会わなければよかった』という随筆もあるじゃないか」(随筆家・皮千得〈ピ・チョンドゥク〉の随筆『縁』の一節)

年を取ったスヒョン「幸せだった瞬間は思い出だけで十分なこともある。その思い出だけで生きられるから」

若いスヒョン「そうかな? オレはまだ信じられないね!」

 10年間にわたり作家別書籍の韓国国内通算売上4位(今年3月、大手書店「教保文庫」調べ)だったフランス人作家ギヨーム・ミュッソの同名小説(日本語題名:時空を超えて)が原作。映画では、タイムトリップによる変化のつじつま合わせよりも、観客の内なる感情を1つずつ解きほぐし、新たに織り上げることに集中している。近年まれに見る良質なラブストーリー。演技派俳優キム・ユンソクとピョン・ヨハンの演技の調和が素晴らしい。上映時間111分、12才観覧可。

李泰勲(イ・テフン)記者
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