韓国国防部が禁止した「タナカ体」、ドラマの影響でブームの兆し

韓国国防部「当惑しているであります」!?

韓国国防部が禁止した「タナカ体」、ドラマの影響でブームの兆し

 「私、きょう残業するであります」

 「えっ! それでは今晩、ユ・シジン大尉様にお会いできないのでありますか?」

 KBS第2の水木ドラマ『太陽の末裔(まつえい)』第5話放送直前の9日午後、スマートフォンの無料チャットアプリで交わされた女性同士の会話だ。同ドラマが爆発的な人気を集める中、女性たちの間で「タナカ体」が流行の兆しを見せている。「タナカ体」(韓国語の発音ではタナカまたはダナカのどちらも可能)とは、軍隊で兵士たちが使う「ハムニダ(します)」「ハナ(するのか)」「ハムニカ(しますか)」などの言葉遣いのことだ。このドラマで俳優ソン・ジュンギが演じる特殊部隊将校ユ・シジンは、兵士たちと会話する時はもちろん、女優ソン・ヘギョ演じる女性医師カン・モヨンと恋仲になっても「タナカ体」を使う。「『あの男』『この男』…と気になる男が多すぎるであります。この時間以降は私のことだけ気にするであります」といった調子だ。

 タナカ体は、軍隊で交わす言葉のすべての会話の文末を「タ(ダ)」「ナ」「カ」で終える話し方だ。国防部(省に相当)は部隊内の習慣を革新するため、将兵たちに服務時間後の日常会話で、「ハムニダ」などより柔らかな印象の「ヘヨ(します、してください、しますか)」という文末表現「ヘヨ体」を使用できるよう教育することを決め、先月「言語純化指針書」を配布した。語法に合わない「~マリムニダ(ということです、であります)」という文末表現は一切禁止とした。

 ところが、指針書配布直後の先月24日から『太陽の末裔』の放送開始と共に、「タナカ体」ブームが巻き起こった。女性視聴者たちが一斉に「新鮮だ」「かっこいい」と反応したのだ。テレビ評論家のチョン・ソクヒ氏は「子どもっぽい言い方をする男性アイドルや、一見硬派だが、内面的には大人になりきれていない『室長』という役柄ばかり見てきた女性視聴者にとって、『タナカ体』を使うタフな男性の登場人物が魅力的に感じられたのだろう」と分析している。

 国防部関係者は「『タナカ体』が硬直した軍隊文化の象徴のように見られていることから、状況に適していない言語習慣を改善しようとした。ドラマの演出効果上、必要ならば『タナカ体』を使うこともあるだろうが、軍隊の言語習慣改善という趣旨も考慮してドラマの中で見せてほしい」と語った。

崔秀賢(チェ・スヒョン)記者
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