ドラマ化されるマンガの「価値」とは

■ドラマ+漫画の相乗効果

 朝鮮時代の女刑事を描いた『チェオクの剣』(2003年)、韓国が立憲君主制だったら…という設定の『宮-Love in Palace-』(06年)、済州島に漂流した西洋人と朝鮮人の海女のラブストーリー『タムナ ~Love the Island~』(09年)など漫画原作のドラマは斬新さを武器に作品性に優れ、話題を呼んだ。ドラマ評論家のユン・ソクチン氏は「ドラマは原作漫画では表現できないカラフルさや音響効果を駆使する一方、漫画的なセリフや演出で漫画ファンにもまた違った面白さを感じさせる」と話す。

 漫画もドラマのおかげでおいしい思いをしている。『宮 -Love in Palace-』の原作漫画『らぶきょん LOVE in 景福宮 』は2006年に日本に輸出され、3年後にミリオンセラーになった。今年、売上100万部を突破した漫画『未生』もそうだが、原作漫画の売上部数はドラマ放映直後に4倍以上にはね上がるケースがある。

■マルチメディア時代、メディアミックスは続く

 テレビのチャンネル数が増え、ドラマの素材や表現方法が多様化していることも漫画のドラマ化が増えている原因の一つだ。漫画が初めてケーブルテレビチャンネルでドラマ化されたOCN『キッドギャング』(07年)は初回にケーブルテレビとしては異例の視聴率(1.5%)をマーク、同時間帯1位になった。それも「荒唐無稽(むけい)なギャングの姿をドラマの中でそっくりそのまま見せることができたから」(漫画評論家キム・ソンフン氏)だ。

 人気の主流はウェブ漫画だ。来年スタート予定の『夜を歩くソンビ』『ジキルと私』『チーズ・イン・ザ・トラップ』もウェブ漫画のドラマ化。米国と供給契約を結んだウェブ漫画『後遺症』『恋愛細胞』などはテレビドラマの枠を超えてウェブドラマへも広がっている。『恋愛細胞』を制作するサイダスHQのパン・ジェソン・プロデューサーは「モバイル環境が普及したことで、ドラマ制作がテレビにこだわる必要はなくなった。若い想像力やインターネットの波及力など、ウェブ漫画のメリットをドラマにも取り入れる流れは続いている」と語った。

チョン・サンヒョク記者
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