インタビュー:キャラクターではなく作品を見るユ・ヨンソク

▲ユ・ヨンソクの答えはとても模範的だった。「視聴率や観客動員より作品性が優先」という回答も、ユ・ヨンソクならぎこちなさがない。/キム・ヨンジョン客員記者
▲ ▲ユ・ヨンソクの答えはとても模範的だった。「視聴率や観客動員より作品性が優先」という回答も、ユ・ヨンソクならぎこちなさがない。/キム・ヨンジョン客員記者

 時代を問わず、大学にはすらりとしていて顔立ちがよく、成績もいい男子学生がいる(さらに家が裕福なケースもある)。そして、飲み会で同年代の男子学生が酔っ払い粋がっているとき、後輩の女子学生にこっそり、それも標準語で「大丈夫かい」と尋ねる。濃いブルーのセーターの中に白いシャツを着てインタビューの場に現れたユ・ヨンソクは、まさにそんなやさしい男子学生のように見えた。

 ユ・ヨンソクはそんなやさしい男の典型(『応答せよ1994』のチルボン、『建築学概論』のジェウク)を演じ、大衆に顔と名前を知られるようになった。映画『情報提供者』(イム・スンレ監督、10月2日公開)のシム・ミンホがなかったら、ユ・ヨンソクはやさしい男として長い間記憶に残っていただろう。ユ・ヨンソクは「模範的な男? 悪いイメージではないと思う。きちんと育てられたように見えるというのだから、むしろありがたい。チルボンのイメージは次の作品で打ち破ればいい」と語った。

 「僕には『オールド・ボーイ』の子役という修飾語がいつも付きまとっていた。悪役を演じた作品(『私のオオカミ少年』『ファイ 悪魔に育てられた少年』)が大衆に強烈な印象を残したため、一時はひどく嫌われた。しかし、いろいろな作品に出続けていたら、ファンの皆さんも僕をそういう風に見なくなった。10年間演技をしながら手にした余裕は、キャラクターではなく作品を見るようになったということ」

 2005年に起きた胚性幹細胞(ES細胞)スキャンダルを基にした『情報提供者』で、シム・ミンホは事件の鍵を握る人物だ。ES細胞研究所の研究員だったが、論文が捏造(ねつぞう)されたことから研究所をやめ、メディアに真実を伝える情報提供者になる。しかし、学者としての良心を守るため、不治の病を患う娘を犠牲にしなければならないという状況に陥る。2011年に公開された『短い記憶』で妊娠した恋人を捨てた男の役を演じて以降、ユ・ヨンソクが父親役を演じるのは今回が初めてだ。

 「本当の父親たちが僕を見たとき、拒否感を抱かないか心配だった。でも、情報提供者が抱える悩み、真実がきちんと伝達できるかどうかを考えているうちに、父親役へのプレッシャーが少しずつ消えていった」

 最近ケーブルテレビで放送されている旅バラエティー番組『花より青春ラオス編』(tvN)で、ユ・ヨンソクは一緒に旅をする仲間をよく世話しており、視聴者から好評を得ている。旅に慣れていない仲間たちのため、ガイドブックを見ながら旅行計画を立て、靴下も洗ってやるなど、やさしさがにじみ出ている。そんなユ・ヨンソクの別名は「江南オッパ(年上の男性や恋人などに対する呼び方)」。一時ソウル・江南地区でよく遊んでいたのか尋ねると、ユ・ヨンソクは首を振った。

 「江南だって? ソウル・江南地区にある京畿高を卒業はしたけど。高校のときソウルに転校し、通うことになった。僕は6歳から晋州で暮らしていた。無愛想な慶尚道の男なんだけど」

ピョン・ヒウォン記者
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