仁川・霊興島で楽しむ日帰りドライブ

 蒸し暑い夏にも情が沸いてしまったようだ。秋の香り漂う爽やかな風に吹かれると残念な気持ちになる。「夏はもう終わってしまったのか。まだ山にも海にも行ってないのに!」

 胸の奥深くから沸いてくるこの切ない気持ち…これを紛らす何かが必要だ。そこで先週末、車に乗って旅に出た。目的地は仁川の「霊興島」。この島は、韓国では最大規模のアカシデ群生地であるほか、韓国最大規模の風力発電所、また海水浴場もあり、さまざまなレジャーや観光が楽しめる。霊興島へは橋で渡ることができ、車で日帰り旅行が可能だ。

仁川の霊興島は、車での日帰り旅行にちょうどいい場所だ。
▲ 仁川の霊興島は、車での日帰り旅行にちょうどいい場所だ。

 ソウルから2時間。始華防潮堤を過ぎて霊興島に入ると十里浦海水浴場が目の前に現れた。島の北側に位置する十里浦海水浴場には、早朝から金づちを打つ音が響いていた。訪れた人々がテントを設置するためにピンを打ち込んでいたのだ。

 テントが設置されているのは主に、浜辺に近い林の日陰部分だった。十里浦海水浴場は韓国最大規模のアカシデ群生地で、樹齢150年以上のアカシデが大きな日陰を作ってくれる。

 アカシデは韓国中部から南の海岸地域に分布する高木。形が独特で、群生している様子は壮観だ。アカシデの下で大人たちは涼しい海風に吹かれ、子どもたちは海辺で水遊びを楽しんでいた。海水は、泳げないほど冷たくはなかった。

アカシデが群生する十里浦海水浴場。
▲ アカシデが群生する十里浦海水浴場。

 次に、島で最も高い国思峰(海抜123メートル)でトレッキングを楽しんだ。約40分歩くと、登山道の先の方から木魚の音が聞こえてきた。統一寺だ。この寺は1992年、失郷民(北朝鮮に故郷を持つ人々)を慰め統一を祈願するという趣旨で建立された。

 統一寺はさほど大きくはなく、山の稜線と調和する形で建てられており、山の姿を損なうことはない。

 統一寺を過ぎて、さらに20分。トレッキングの目的地、国思峰展望台に到着した。展望台の周囲にはアカシデが群生している。3階にある展望台まで上ると、足元にはうっそうと木が生い茂っていて、緑色の雲の上に乗っている気分になる。

国思峰の展望台と統一寺。
▲ 国思峰の展望台と統一寺。

 展望台からは霊興島の全景と近くの八尾島の灯台、仁川港などが見えた。晴れた日にはペンニョン島や北朝鮮の黄海道海州の首陽山まで見渡せる。頬をなでる風が「秋ですよ」とささやいているかのようだ。

 ほかにも霊興島には家族でのお出掛けに最適な観光スポットがたくさんある。長景里海水浴場では潮干狩りができる。1キロ以上続く長い砂浜があり、引き潮になると広い干潟が姿を現す。砂浜の左側の小さな丘の向こうには風力発電機があり、景色がいっそう優雅に見える。浜辺の後方には樹齢100年を超える古い松の木が生い茂り、散歩にもうってつけだ。

ほかにも霊興島には長景里海水浴場や霊興エナジーパークなど、さまざまな観光スポットがある。
▲ ほかにも霊興島には長景里海水浴場や霊興エナジーパークなど、さまざまな観光スポットがある。

 長景里海水浴場から車で15分の所には、体験型博物館「霊興エナジーパーク」もある。霊興島は風力・太陽光など新・再生可能エネルギーの中心地と呼ばれ、韓国最大規模の風力発電団地がある。

 このような特徴を生かして作られた霊興エナジーパークには、電気が作られる過程、生活電気の原理、再生エネルギーなどさまざまな分野の展示物がある。体験型の展示となっているため、簡単に、かつ楽しく学ぶことができる。

 霊興島までのルートは大きく分けて二つ。第3京仁高速道路から正往インターチェンジを経て始華防潮堤方向に進むルートと、始興方向から国道1号線で行くルートだ。公共交通機関の場合は、安山駅(123番)、衿井駅(330番)、水原(490番、400-1番、999番)からバスで仁川まで行き、仁川でテファ、シンガン交通バスを利用する。

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