人気スポット「問巷漁村体験村」で魚つかみ取り

全国評価1位の体験場

 「私も魚を触ってみたい!」。幼い娘の一言に、スーパーマンになり切った全国のパパたちが体力勝負を繰り広げる。魚に向かって飛び掛かるパパたちの気合いと、パパを応援するママたちの歓声が海辺いっぱいに響き渡る。ついに素手で捕まえた1匹の魚。「大物だぞ。大物!」あちこちから笑い声の混じった大声が響いでくる。ここは慶尚南道南海郡にある「門巷漁村体験村」。

 門巷漁村体験村は2012年、韓国全土にある体験村の評価で1位を獲得して一躍有名になり、韓国の代表的な海洋体験スポットとしての地位を確立した。ここでは潮干狩り、魚のつかみ取りなどさまざまな体験ができる。夏も終わりに近づいたこの時期でも予約でいっぱいだ。門巷漁村体験村とはいったいどんな所なのだろうか。

慶尚南道南海郡にある問巷漁村体験村。2012年の全国体験村評価では最優秀賞を受賞した。
▲ 慶尚南道南海郡にある問巷漁村体験村。2012年の全国体験村評価では最優秀賞を受賞した。

 取材当日。体験村の駐車場を管理する高齢の担当者は早朝から忙しそうに働いている。体験場前の広い駐車場はすでにいっぱいだ。慶尚南道地域だけでなく、ソウルや江原道を未明に出発してやって来た人たちも目に付いた。

 車から降りた人たちは皆、長靴に麦わら帽子といういでたちで、既に準備万端だ。サングラスの奥の目はワクワク感やドキドキ感でいっぱいだった。

 待ちに待った体験の最初は、ケマギという漁法による「魚つかみ取り体験」。ケマギとは、干潟に網を設置しておいて、引き潮で水が引いたときに網に掛かっている魚を素手で捕まえる漁法だ。

問巷漁村体験村では素手で魚を捕まえる「ケマギ」と呼ばれる漁法の体験ができる。
▲ 問巷漁村体験村では素手で魚を捕まえる「ケマギ」と呼ばれる漁法の体験ができる。

 魚のつかみ取りは水位が大人の膝ぐらいまで下がった時点でスタートする。スタートを告げる合図が出ると、皆「わーっ」と歓声を上げながら干潟に飛び込んでいった。干潟に入ると、ふくらはぎのすぐ横を丸々と太った魚たちがすり抜ける。ヒラメ、ボラ、スズキなど種類もさまざまだ。

 楽しみ方は各者それぞれだ。魚を追い掛けて一気に走る「疾走型」や、網のそばに座ってじっと待ち続ける「忍耐型」、魚のことは忘れて浮き輪で水遊びを楽しむ「人生無常型」など…。

 つかみ取りが始まると、参加者たちが一斉に駆け出すため、海水が泥で濁って水の中がよく見えなくなる。だがかすかに見える魚の背びれさえ見つかれば、子どもでも簡単に大物を捕まえることができる。中にはほかの人の足を魚と間違えてつかんでしまう人もいたが、皆楽しそうな様子だった。

魚つかみ取り体験場の反対側では、潮干狩りやアナジャコ捕りを楽しむことができる。
▲ 魚つかみ取り体験場の反対側では、潮干狩りやアナジャコ捕りを楽しむことができる。

 あまり捕まえられなくてもがっかりする必要はない。魚つかみ取りが終わると、反対側の網で、南海の宝物を探す「2回戦」が始まった。「潮干狩り」と「アナジャコ捕り」だ。

 参加者たちは子どもも大人も皆、お尻を空に突き出した姿勢で貝を探した。黒い干潟を30センチほど掘れば、アサリはもちろん、大人の拳ほどもあるミル貝も出てくる。貝がゴロゴロ出てくると、皆まるで金塊でも見つけたかのように大喜びしていた。

 職人のような手つきで貝を掘り出す女性や、ぎこちない手つきで真剣に貝を探す子どもまで、南海の干潟は訪れた人を一人も手ぶらでは帰らせない。参加者のかごは魚、貝、カニなどでいっぱいになっていた。

体験場で捕れたアナジャコを、その場で揚げ物にしている。
▲ 体験場で捕れたアナジャコを、その場で揚げ物にしている。

 体験が終わったら、収穫物をさばいてもらうために長い行列ができる。体験場の隣にあるグルメ体験館では、地元の女性たちが魚の内臓やうろこを取り除き、塩を振ってくれるのだ。ミル貝も3000ウォン(約300円)でさばいてもらえる。

 順番を待っている間に食べられる「アナジャコの揚げ物」も絶品だ。魚をさばく場所の隣では、干潟で捕れたアナジャコをその場で揚げて売っている。味はエビに似ているが、エビよりも香ばしい感じだ。値段は3匹で2000ウォン(約200円)。

 門巷漁村体験村は季節や時期によって体験できる内容が異なる。どの体験も、潮の満ち引きにタイミングを合わせるのが重要だ。引き潮の時間の関係で体験ができない日もあるため、電話での問い合わせは必須だ。詳細は門巷漁村体験村のホームページか電話で確認を。

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