「世界伝統医薬エキスポ」で韓医学を本格体験

 朝鮮王朝時代の医師、許浚(ホ・ジュン)が1613年に発行した『東医宝鑑』。これは韓国最高の医学書とされ、アジアの医学書の中で初めて、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に登録され、その価値を認められた。

 許浚の師匠に当たる柳義泰(ユ・ウィテ)が生まれた慶尚南道山清郡は、『東医宝鑑』の発行400周年を迎え、9月6日から10月20日にかけて「2013山清世界伝統医薬エキスポ」(以下、韓方エキスポ。韓方=韓国式の漢方)を開催する。チョソン・ドットコムでは韓方エキスポの成功を祈り、同エキスポの魅力を紹介する。

世界伝統医薬エキスポは9月6日から慶尚南道山清郡の東医宝鑑村一帯で開催される
▲ 世界伝統医薬エキスポは9月6日から慶尚南道山清郡の東医宝鑑村一帯で開催される

■人形と4D映像で紹介、子どもにも分かりやすい「東医宝鑑館」

 まず、子どもや外国人と一緒に訪れた来場者は「東医宝鑑館」に入ることをお勧めしたい。「東医宝鑑館」は、入り口から子どもたちの興味を引く展示が始まっている。ろう人形で昔の人々の伝統医学の手法を再現した上、韓方独特の薬のにおいを漂わせ、昔の医療現場を実感できるつくりになっている。

 ろう人形展示室を出ると、医学・薬学の常識を紹介する展示館が現れる。ここでは子ども向けに伝統医学・薬学を説明する4D(4次元)映像や、背が高くなるストレッチ方法、韓医薬ゲームなどが体験できる。この展示館を見学すると、東医宝鑑の優秀性と昔の人々の知恵が理解できる。

東医宝鑑館では韓医学の素晴らしさを分かりやすく学ぶことができる
▲ 東医宝鑑館では韓医学の素晴らしさを分かりやすく学ぶことができる

 さらに「東医宝鑑館」の前には、子どもたちが喜びそうな彫刻公園がある。健康と長寿を象徴する20メートル大の黄金のカメを中心に、許浚の銅像、クマをかたどった2階建ての展望台がそびえ立っている。また、公園内の柱には韓国の薬草に関する説明が刻まれており、薬草の種類や効能について知ることができる。

■体質診断や足湯などお年寄り向け医療体験も

 あちこち具合の悪いお年寄りは、医療体験のできる「ヒーリングエキスポ」に行ってみよう。ここでは体質診断や健康診断など細かな診療からスタートする。山清IC入り口付近にあるサブイベント会場内の「恵民署(朝鮮王朝時代に設置された庶民向け医療施設のこと)」では、大学病院出身の韓方専門医が、最先端の機器を利用して無料診断サービスを行う。

 診断が終わったらメーン会場に移動し、本格的な医療体験を楽しもう。韓方体験館では仙人が使っていたという長寿木枕で寝る「神枕法」を体験できるほか、美容経絡マッサージや無料のはりきゅうサービスも受けられる。許浚巡礼道では、韓方の四象医学(人の体質を4種類に分類し治療する韓医学)に基づいて診断された四つの体質別に、それぞれに合った足湯を体験することもできる。

エキスポでは韓方体験館の「神枕法」をはじめ、さまざまな体験プログラムが準備されている
▲ エキスポでは韓方体験館の「神枕法」をはじめ、さまざまな体験プログラムが準備されている

 このほか、世界館では21カ国・地域の伝統医学・薬学を紹介しており、代表的な5カ国・地域の伝統医療を体験できる。インド館では脳卒中の後遺症や老人性の認知症などに効果的な「シロダーラ(額にオイルを垂らして行う脳のマッサージ)」、モンゴル館では「変形性関節症治療法」、チベット館では「尿検査」などが受けられる。

■恋人とのデートコースに最適な「東医宝鑑ドゥルレ道」

 カップルで訪れたのなら、東医宝鑑ドゥルレ道(散策コース)を歩いて元気になろう。この散策コースには指圧用の石が埋め込んであり、歩きながら足つぼマッサージができる上、コースの両脇にはハーブやキクなどが植えられており、散策するだけで体内の毒素を排出することができる。

 散策コースはマンバウィと呼ばれる岩を経て、王山の頂上へと続く。中間地点にはシカ牧場もあり、餌やり体験もできる。

東医宝鑑ドゥルレ道では、シカ牧場や風車などを見ながら散策を楽しむことができる
▲ 東医宝鑑ドゥルレ道では、シカ牧場や風車などを見ながら散策を楽しむことができる

 散策コースのハイライトは「風車」。高さ18メートルの風車は、エキスポ会場を見下ろす展望台として使われる予定で、夜にはLED(発光ダイオード)ライトが点灯し、エキスポの夜を明るく照らす。

■30種類の薬草を使った薬膳定食

 山清を訪れたら、薬膳定食を味わうのもエキスポの楽しみの一つだ。山清には智異山や王山など薬草の宝庫があり、さまざまな薬草が生産されている。昔の人々はこうした薬草を治療ではなく病気予防に利用し、各種の料理に用いてきた。

「世界伝統医薬エキスポ」で韓医学を本格体験

 中でも代表的な料理は、薬草のしょうゆ漬け(チャンアチ)やあえ物(ムチム)だが、これらはいずれも薬膳定食で味わえる。薬膳定食にはシラヤマギク、ウルシの葉、フキの葉のしょうゆ漬けや、キキョウの根のあえ物のほか、蒸し肉やサバの炭火焼き、テンジャンチゲ(韓国風みそ鍋)など30種類以上のおかずや汁物がついて、1万ウォン(約880円)以下で食べられる。

〈関連情報〉

■2013山清世界伝統医薬エキスポ

期間:2013年9月6日-10月20日

入場料:大人1万5000ウォン(約1320円)、中高生1万ウォン、小学生8000ウォン(約710円)

場所:東医宝鑑村(メーン会場)…慶尚南道山清郡今西面東医宝鑑路555

   韓方医療クラスター(サブ会場)…慶尚南道山清郡今西面梅村里87番地一帯

電話:韓国055-970-8600

前売り入場券販売サイト:http://www.tramedi-expo.or.kr/

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース