「Ah Ah Ah Ah I’m a mother father gentleman…分かるかな なんでナイスボディーじゃなきゃいけないのか/分かるかな なんでイケててセクシーじゃなきゃいけないのか/分かるかな ダーリン 早く来て 一騒ぎしようぜ」
3分14秒間にわたり繰り返される電子音に合わせ半分は歌うように、半分はラップ調の低いトーンでPSY(サイ)の声が流れる。英語と韓国語が混じった歌詞はどの国の言葉なのかすぐには分からず、全く知らない国の言葉のようだ。
全世界で時間帯を分け、12日午前0時を期して119カ国でネットによる配信が開始された「ワールドスター」PSYの新曲「GENTLEMAN」だ。
この曲は映画『スターウォーズ』や『ハリー・ポッター』シリーズの新作、村上春樹やスティーブ・ジョブズの新刊本に匹敵するほど世界的なブームを起こす勢いで同日未明にアクセスが殺到、世界各地を熱くした。
新曲は韓国時間で11日午後9時のニュージーランドを皮切りに、次々と全世界のファンに公開されていった。起承転結といったストーリー構成はなく、最初から同じパターンのリズムやフレーズを繰り返す作りだが、少しずつバリエーションが広がり、中毒性を最大限に生かしている。方言やスラングまで織り交ぜ、言葉のリズムや韻を踏む言葉遊びの巧みさが印象的だ。大ヒット曲「江南スタイル」の歌詞「Sexy lady」を思い起こさせる「Damn! Girl! You so freakin\' sexy!(ったく!あんたホントに死ぬほどセクシーだな!)」といった大胆な歌詞も耳に突き刺さる。
ネット上の反応はひとまず好き嫌いが分かれているようだ。「韓国語の歌詞の意味はよく分からないが、『オ』の音で終わる部分がいい感じのクールなダンストラック」という評もあったが、「(ビルボード・チャート1位になった)DJバウアーの『ハーレム・シェイク』を連想させる。独創的でない」などの批判もあった。韓国のネットでも「言葉遊びが魅力的」という称賛の書き込みがある一方で「前作が大ヒットしただけにプレッシャーも相当だろう」などの声もある。
しかし、リリース直後の評価とは別に「この曲がヒットするかどうかは結局ミュージックビデオの出来で分かれる」との見方も多い。「江南スタイル」も「乗馬ダンス」をするミュージックビデオの映像が動画共有サイト「ユーチューブ」にアップロードされたのがブームを起こすきっかけだった。
この日ベールを脱いだ「GENTLEMAN」は「『江南スタイル』神話」を作り上げたメンバーが意気投合してできた作品だ。長年にわたりPSYの音楽的パートナーとして活動し、「芸能人」(PSYと共同で作曲)、「We are the one」などPSYの代表曲を作ったユ・ゴンヒョンが作曲・編曲を手掛けた。13日に公開される予定のミュージックビデオの演出は「江南スタイル」ブーム主役の一人、チョ・スヒョン監督だ。「江南スタイル」ブームの核心「乗馬ダンス」を考案したイ・ジュソン振付チーム長も新曲のダンスを担当している。