進化続けるトッポッキ、世界化も加速

進化続けるトッポッキ、世界化も加速

■韓国料理の世界化の一翼を担うトッポッキ

 韓国政府が、韓国料理の世界化に向けてトッポッキを品目に加えたことで、トッポッキの全世界への普及を目指した本格的な取り組みが始まった。農林水産食品部(省に相当)は2009年からトッポッキ育成事業をスタートさせ、13年までに総額140億ウォン(約11億7700万円)を投じてトッポッキ市場を1兆6000億ウォン(約1344億円)台に成長させる事業を推進している。09年には英語の「TTEOKBOKKI」という表記を、発音が簡単になるよう「TOPOKKI」に改め、世界化への一歩を踏み出した。10年4月には京畿道竜仁市にトッポッキ研究所を設立し、トッポッキの本格的な世界化に向けて勢いを加速させている。

 09年にEBSの番組『リアル実験プロジェクトX』では、トッポッキの世界化をテーマに、世界中のバックパッカーが集まるタイで、世界の人々の口に合うトッポッキの標準的なレシピを開発する過程を放送した。外国人にトッポッキを試食してもらった結果、韓国人が食べ慣れている赤いトッポッキよりも、しょうゆベースの宮廷トッポッキの方が受けがよかった。また、餅をよく食べる文化圏の人にはもっちりした食感が好まれたが、餅の食感になじめない外国人もいた。トッポッキの中に入っている野菜だけを食べ、メインの餅は残すという皮肉な結果になるケースもあった。

 この結果から、韓国のさまざまなトッポッキを効果的に世界に広めるためには体系的な調査と研究が必要だ。米国ロサンゼルスで夕食時に行列ができる「スクールフード」や中国に進出した「ククデトッポッキ」「アッタル」のように、すでに人気を集めている店もあるが、全世界をとりこにするためには、あらゆる国の人々の口に合うレシピ開発が必要だ。

■トッポッキは現在も進化中!

 トッポッキは今でも少しずつ進化している。従来のシンプルなトッポッキだけでなく、フュージョントッポッキ、変わりトッポッキなど、さまざまな味や形へと変身を遂げている。クリームソーストッポッキ、上海トッポッキなど、多国籍料理と結合して生まれ変わったり、ステーキトッポッキなど思いもよらない料理と結びついたりして楽しみを与えてくれる。安い軽食から、ワインと共に食べる高級メニューまで、さまざまな形で提供されている。

 また、辛さを調節できるトッポッキのほか、韓国で食べられている辛い味のまま変化を付けたバラエティー豊かなトッポッキも登場している。棒状の餅だけでなく、チーズやサツマイモなどを生地に加えた餅や、チョレンイトック(雪だるま型の餅)、丸餅などさまざまな形の餅で作るトッポッキもあり、食べる楽しみも倍増している。即席トッポッキも以前とは変わってきた。雰囲気よりも味を重視していたトッポッキ店が、味もアップグレードした上、洗練されたスタイリッシュなカフェ風に生まれ変わり、雰囲気を楽しむこともできる。材料もチーズ、海産物、牛肉などさまざまで、メニューも豊富になっている。

 韓国の外食産業でトッポッキの市場はかなり大きくなり、すでに飽和状態だと話す専門家もいる。最近ではインテリアや差別化された味で勝負するさまざまなフランチャイズブランドがトッポッキ市場に食い込んでいる。体系化されたシステムと膨大な資金を基に、海外進出にも積極的に取り組んでいる。昨年のトッポッキ関連のフランチャイズ加盟店数は、従来の2倍に増加した。

 今やトッポッキは素朴なおやつから、立派なメニューの一つに生まれ変わった。国民に愛され全面的な支持を集めているトッポッキは、今後も進化を続け、韓国人の代表メニューとして堂々と君臨する日もそう遠くはないだろう。

進化続けるトッポッキ、世界化も加速

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文・写真提供= 月刊外食経営
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