芸能界プロポフォール疑惑:「依存タレントは数十人」

飛び交ううわさ、捜査に緊張走る
「徹夜撮影・不規則な生活続く俳優に誘惑」
「ソウル・江南の整形外科中心に2009年から芸能界で広まる」

 睡眠導入剤(睡眠薬)や麻酔薬としても使われる向精神薬「プロポフォール」不正使用疑惑に関連し、イ・スンヨン、パク・シヨン、ヒョンヨン、チャン・ミイネら人気女優・タレントたちが相次いで検察の聴取を受けていることから、韓国芸能界は騒然となっている。「これだけでは終わらないだろう」という話も半ば公然と飛び交っているほどだ。こうした見方にはどれだけの根拠があるのだろうか。芸能人たちはなぜプロポフォールに手を出したのだろうか。

 13日、複数の芸能界・医療関係者に話を聞いたところ「中毒に近いレベルでプロポフォールに依存している芸能人は数十人はいるだろう」と話す人が多かった。「芸能人の中でも特に俳優・女優は、ほかのタレントに比べ徹夜の撮影が多く生活が不規則なため、短時間でも熟睡できるよう促すプロポフォールの誘惑に負けるケースが多い」という。

 「芸能人は一般人に比べて整形に対し関心が高く、手術を受ける際にプロポフォールの誘惑にはまる人が多い」という話もあった。「ほとんどが整形手術で初めて体験する」という。検察の捜査対象の大多数が女性タレントであることも、男性タレントに比べ整形手術が身近なためと解釈できる。医療関係者によると、一部整形外科・皮膚科ではレーザーや高周波を利用した肌エステや二酸化炭素を脂肪組織に注入するカーボメット(炭酸ガス療法)などと共にプロポフォールを投与し、巧みに法の網をかいくぐるケースもあるとのことだ。ある整形外科医は「特に必要ないのに1-2週間に1回以上、こうした施術を継続して受ける人はプロポフォール中毒である可能性が高い」と語った。

 さらに、極秘でプロポフォールだけを投与するケースもあるという。ある芸能プロダクションの幹部は「整形外科や皮膚科としては、タレントが大勢来るという口コミが広がれば患者が集まるため、PRの一つとしてタレントの無理な要求を聞き入れることもあるようだ。1週間に2-3回プロポフォール投与を受けるタレントもいると聞いているが、内向的な性格のタレントがプロポフォールの誘惑に負けることが多いそうだ」と話した。

 韓国社会、特に芸能界にプロポフォールの「効果」に関してうわさが広まり始めたのは2009年くらいからだという。医療界の内外で手術や内視鏡検査など、日常的に使われていたプロポフォールについて「疲れを一気に吹き飛ばしてくれる。中毒性も全くない」といったうわさが広まり、常習的に投与を受ける人が増えていったのだ。ある整形外科医院の院長は「09年ごろ、ソウル市江南区狎鴎亭洞のある整形外科で本格的にプロポフォール投与が始まったが、夜の店で働く女性や一部タレントが多数来るようになったため、ほかの病院にも広がった。当時はプロポフォールが麻薬類に指定されていなかったので、誰もが特に問題意識を持っていなかった」と語った。プロポフォールは2011年2月から麻薬類に指定された。

崔承賢(チェ・スンヒョン)記者
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