インタビュー:『光海』で帰ってきたハン・ヒョジュ

インタビュー:『光海』で帰ってきたハン・ヒョジュ

 「また時代劇?」とよく言われる。だが、ハン・ヒョジュ(25)は「ドラマ『イルジメ〔一枝梅〕』(2008年)、『トンイ』(10年)に続き3作目、それに映画で時代劇に出るのは初めてなんですが…」と言って笑った。本人が言うとおり、『トンイ』のイメージが強すぎるのかもしれない。「線は細いが整った東洋的な顔立ち」。そんなハン・ヒョジュのことを水墨画に例える人もいる。

 ハン・ヒョジュが再び朝鮮王朝時代に戻って出演したのが映画『光海(クァンヘ)、王になった男』だ。13日に公開され、1週目に早くも120万人を動員した。

 今回は中殿(王妃)役だ。スクリーンをひときわ明るくする美しさは相変わらずだが、悲運のヒロインだけに「笑み」はなく、その代わりに国母としての「品格」がにじみ出ていた。

 映画のハン・ヒョジュはどうなのだろうか。さすが時代劇はハン・ヒョジュの「専売特許」だ。韓服を着ると、その美しさはさらに光り輝き、その上「ヒット」というおまけまで付いてくる。映画公開の翌日、ソウル市鍾路区のカフェで会ったハン・ヒョジュは「『トンイ』に感謝しなければなりませんね」と話し、『光海、王になった男』の中殿役で浴びている賛辞を前作『トンイ』のおかげだと思っている。

■1年間『トンイ』で時代劇を学んだのが大きな助けに

 「私にとってはいろいろとありがたい作品です。時代劇の演技に対する恐れや不安を振り払うことができました。1年間という長い間、どれだけたくさん練習したことか…。時代劇ならではのせりふ回しやジェスチャーなどが体に染みこんでいたから演じやすかったです。そのおかげで役に集中できました」

 実際、今回の作品でハン・ヒョジュの比重はあまり大きくない。ハン・ヒョジュが演じた中殿は、見た目からしてほかの中殿とは違う。権力の渦に巻き込まれ翻弄(ほんろう)されて家族を失う悲運の女性。しかも王の寵愛(ちょうあい)すら受けられない。

 ハン・ヒョジュはこの中殿を演じるため、ほぼスッピン状態の顔をさらした。メークはBBクリームを塗る程度。化粧気のない顔は映画『ただ君だけ』(11年)でも見せたことがあるが、髪などで顔を隠せない時代劇ではそれよりもはるかに勇気が必要だった。

 素のハン・ヒョジュはよく笑う方だが、中殿をクスリともさせられずに躍起になるハソン(イ・ビョンホン)のしぐさに噴き出してNGを出したことはないという。「NGはあまり出さない方です。感情的な部分でのNGならまだしも、せりふが入っていないというような技術的なNGを出すのは、一緒に働いている方々に失礼だと思います」と語った。

■「あれこれ選んでいたらここまで来られませんでした」

 このように、ハン・ヒョジュはほかの20代の俳優たちには見られない面をいろいろと持っている。勇敢にして落ち着いているのだ。スターなら誰もが考える「ヒットするかどうか」にも関心がない。むしろ「あれこれ計算したり選んだりしないから、今この場にいられるんです」と自らを評した。映画『絆創膏(ばんそうこう)』(12月公開予定)がクランクアップし、『光海、王になった男』のプロモーションが終わると、10月からはまた別の映画『監視』の撮影に入る。『絆創膏』はラブストーリー、『監視』はサスペンスだ。『絆創膏』では「この野郎」「あの野郎」を連発する口汚くわがままな医師役、『監視』では特殊警察官役と演技の幅をさらに広げる。

 演技のキャリアがせわしいほどにどんどん増えていく。その理由を聞くと、ハン・ヒョジュは「できるときに一生懸命やらなければ」と、大したことではないという様子で笑った。「周囲の環境やムードに乗りやすい方。撮影中はもっとそうです」と自分の性格を分析、「『光海、王になった男』を撮影していたときはみんな近寄ろうともしませんでした。次にお会いするときは(『監視』撮影中なので)何も話さないかも知れませんが、誤解しないでください」と念を押してまた笑った。最近では本当に貴重な「20代女優」、しかもその中でも特に愛されている女優、ハン・ヒョジュの生き方だ。

インタビュー:『光海』で帰ってきたハン・ヒョジュ

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チェ・ウンギョン記者 , 写真= キム・ジョンウク記者
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